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ベートーヴェンの後期ピアノソナタ [クラシック音楽2017]

ハイドン、モーツァルトに続くウィーン古典派の3人目の巨匠、ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)へと移ります。

1787年(ドン・ジョヴァンニの作曲年)、16歳のベートーヴェンはモーツァルトを訪問するため、ボンからウィーンへと旅をしていますが、実際に出会えたのかどうかははっきりしていないようです。ともあれ、ベートーヴェンが本格的に作曲活動を行うのは、モーツァルトの死後ということになります。

先ずはモーツァルトを偲んで、彼のピアノ曲から、1786年春の予約演奏会のために書かれたK.488のピアノ協奏曲を。(演奏しているのは、オオカミの保護活動でも知られるエレーヌ・グリモーです。「野生のしらべ」という著作もあり、このMVもそれを意識したものになっています。)


 Hélène Grimaud - Mozart - Piano Concerto No.23, 2. Adagio (Official Video)


1792年にハイドンに師事するためウィーンへ移り住んだベートーヴェン。1795年に作曲されたピアノソナタ第1番〜第3番(Op.2)にもすでにその片鱗を窺わせますが、フレーズを切り詰めてドラマティックに構築されるベートーヴェンに特徴的な音楽は、1803年のピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」(Op.53)、1804年の交響曲第3番(Op.55)で明確な形を示します。その辺りからが中期と呼ばれる時代で、おおよそ、交響曲第7,8番(Op.92,93)が作曲された1811-12年までの期間を指します。

後期のピアノソナタはそのあと、交響曲第9番(Op.125)の完成された1824年までの間に作曲されたものです。

 ピアノソナタ第27番 ホ短調 Op.90 (1814)
 ピアノソナタ第28番 イ長調 Op.101 (1816)
 ピアノソナタ第29番 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」Op.106 (1817-18)
 ピアノソナタ第30番 ホ長調 Op.109 (1820)
 ピアノソナタ第31番 変イ長調 Op.110 (1821-22)
 ピアノソナタ第32番 ハ短調 Op.111 (1821-22)

音楽の構成感が少し自由になり、ロマンティックな表情も垣間見せる作品群になっています。あと興味深い話としては、「ハンマークラヴィーア」ソナタは当時のピアノでは全音階を弾くことが不可能だったということ。作曲当時ベートーヴェンは2台のピアノを所有していて、第1〜3楽章まではシュトライヒャー製でなければ高音域が演奏できず、第4楽章はブロードウッド製(第3楽章作曲中に手に入れた)でなければ低音域が演奏できなかったという。さすが、“ここに1曲ソナタがあるけど、ピアニスト泣かせのね、でも50年も経てば弾かれるようになるだろう” と出版社に告げていたベートーヴェンです。尚、それ以降のソナタはブロードウッド向けに書かれたようです。


 
 BEETHOVEN - Piano Sonata No. 30 in E Major, Op. 109: I. Vivace ma non troppo - François-Frédéric Guy

 
 BEETHOVEN - "Hammerklavier": IV. Largo - François-Frédéric Guy


ベートーヴェンのピアノソナタを丁寧に聴き直してみたいという方には、アンドラーシュ・シフの、全ての音に意識が通っているかのようなコントロールの効いた演奏があるので、こちらをどうぞ。(来日記念ということで、バラ売りが廉価で再発となっています。)

 Schiff_7.jpg Schiff_8.jpg
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第7巻 ソナタ第27番-第29番
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第8巻 ソナタ第30番-第32番


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これら高邁なピアノソナタの後に、愛すべき「ディアベリ変奏曲」Op.120 (1819-23) を持ってくるのも彼らしいと言えばいいのか、第22変奏ではモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」第1幕冒頭の「夜も昼もあくせくと(Notte e giorno faticar)」が引用されています。ご主人ドン・ジョヴァンニが女遊びに勤しんでいる時に、見張りをさせられてるレポレッロが「貴族様になりてーよ」と歌うあれです。(ちなみに下のミュリエル・シュマンのCD、気ままな曲想と上下のフレーズ関係を良く捉えた、雑味のない仕上りになっています。)


 Muriel Chemin – DIABELLI VARIATIONS – Artist portrait


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ところで上のアルバムと同日に発売された「エビクラシー」、オリコンとビルボードジャパンの週間ランキングで1位獲得ということで、お祝いに「七重奏曲」も揚げましょう。エビ中ワンダーランドの今後の発展を期待して。

 Ludwig van Beethoven Septet op.20. III: Tempo di minuetto. Kölner Kammersolisten

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