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ヴォツェック(1914-22) [トリスタン以後]

ベルク(1885-1935)
「ヴォツェック」(Wozzeck, 1914-22)


1837年 23歳の若さで夭逝したドイツの革命家ゲオルク・ビューヒナー。とある殺人事件の精神鑑定書をもとに執筆したのが、未完の戯曲「ヴォイツェック(Woyzeck)」です。___ 彼の最期の亡命先はチューリッヒ。ワーグナーがそこに潜伏していたのは1849-58年ですから、接点はないですね、警部!___

woyzeck_cinema.jpg
Woyzeck (Werner Herzog, 1979) ___ Lupin, わしはどこまでも追いかけるぞ!___


ビューヒナーの死後埋もれていた「ヴォイツェック」。断片的な遺稿の他に未発表の草稿があることを知った Karl Emil Franzos が、判読困難な状態から化学処理を施して強引に解読・編纂します。この「ヴォツェック」が、1875年 ウィーンの新聞に、1877年 ベルリンの「Mehr Licht (もっと光を)」誌に掲載され、1879年 書籍として出版されます。

1913年 ミュンヘン、その戯曲が初めて舞台上演されます。1914年 ウィーン、それを観劇したベルクは心揺さぶられ、すぐにでもオペラ化に取り掛かりたいと望むものの第1次世界大戦のため軍務に服さねばならず、本格的に着手できるようになるのは1917年。ショートスコア完成は1921年10月。オーケストレーションを施したフルスコア完成はその6ヶ月後、1922年の春です。

score_short.jpeg
short score

score_full.jpg

full score


ベルクは作品の一部を持って各地の劇場監督の前で試奏しますがどこでも上演には至らず、1925年 ベルリン国立歌劇場、音楽監督エーリヒ・クライバーの剛腕でようやく初演の運びとなります。(クライバーは1923年 同歌劇場の音楽監督に就任。1935年 ナチスの台頭を嫌いアルゼンチンに移住。その時、息子カルロスは5歳)


---

全3幕、第1幕=5つのキャラクター・ピース、第2幕=5楽章のシンフォニー、第3幕=6つのインヴェンションという音楽形式が採用されていて、その構造自体の中にドラマ性が感じられるのもこのオペラの特徴。敬してこれを遠ざくというのも、ちょっともったいない。

また、ライトモチーフがふんだんに盛り込まれていて、ベートーヴェンの「田園」をおちょくったフレーズもちょくちょく顔を覗かせます。そんなお茶目な一面もあるアルバン・ベルクです。

Wozleit_captain.gif
 モチーフ一覧は、
 左のメロディーをクリック


 ... and wonderful to hear, but a challenge still for musicians and listeners.

 Berg's Wozzeck by Dutch National Opera


 Eva-Maria Westbroek as Marie in Wozzeck

"Es war einmal ein armes Kind
「かつて、一人の貧しき子供あり、
und hatt' keinen Vater und keine Mutter...
 父なく、母なく、
war Alles tot und war Niemand auf der Welt,
 皆は死に、この世に誰もなく、
und es hat gehungert und geweint Tag und Nacht.
 飢えて、昼も夜も泣きいたり。
Und weil es Niemand mehr hatt' auf der Welt ... "
 この世に誰もなかりせば... 」

Der Franz ist nit kommen, gestern nit, heut' nit ...
 フランツは来ないわ、昨日も、今日も...

Wie steht es geschrieben von der Magdalena? ...
 マグダラのマリアのことは何と書かれていたかしら? ...

"Und kniete hin zu seinen Füssen
「そして、その方の足元にひざまずき、
und weinte und küsste seine Füsse
 泣き、その御足に接吻し、
und netzte sie mit Tränen und salbte sie mit Salben."
 涙にて濡らし、香油を塗れり。」

Heiland! Ich möchte Dir die Füsse salben!
 救い主よ! 私もお御足に香油を塗りたい!
Heiland! Du hast Dich ihrer erbarmt,
 救い主よ! あなたは彼女に憐れみを与えた、
erbarme Dich auch meiner!
 私にも憐れみを与え給わんことを!



--- 主な登場人物 ---

各登場人物のキャラクターは、イタリアの仮面劇コメディア・デラルテにも紐付けられています。

gear_5char.png

 フランツ・ヴォツェック:貧乏な一兵卒(ピエロ)
 鼓手長:マリーの愛人(アルレッキーノ)
 マリー:ヴォツェックの内縁の妻(コロンビーヌ)
 医者:ヴォツェックを実験台にしている(イル・ドットーレ)
 大尉:ヴォツェックの上官(イル・カピターノ)
 アンドレス:ヴォツェックの同僚・友人
 マリーの息子

--- 開演 ---

第1幕:5つのキャラクター・ピース
 第1場:古典的組曲
大尉の部屋、早朝。床屋上がりの一兵卒ヴォツェックが、大尉の髭を剃っている。彼は、妻子のために稼がなければならないのだ。大尉は、ゆっくりやれと命じながら、ヴォツェックをからかう。また、永遠や道徳について軽薄に論じ、ヴォツェックが教会の祝福を受けていない私生児を持っていることを非難する。ヴォツェックは、貧乏な人間は道徳的になることはできないと答える。大尉はヴォツェックの屁理屈に呆れ、彼を帰す。

 第2場:ラプソディーと狩りの歌
遠くに街が見える広野、日没。ヴォツェックは同僚のアンドレアスと一緒に、藪の中で上官のための杖を刈っている。アンドレアスは狩りの歌を歌うが、ヴォツェックはこの野原には毒キノコがあり、首が転がっていて、それを拾い上げた男は三日後に死んだと妄想を語る。さらに夕日が沈みかけると、地から天へ轟きながら燃え上がる炎を幻視し、脅える。

 第3場:軍隊行進曲と子守唄
マリーの部屋、夕方。未婚の母マリーが窓際で子供をあやしている。軍楽隊が外を行進していき、マリーはその先頭に立つ鼓手長のウィンクに、親しげな表情で応える。マルグリートがそれを冷やかすので、マリーは窓を閉め、有名な子守唄を歌う。そこへヴォツェックがやって来るが、広野での幻想に脅え、うわの空である。自分の子供を示されても放心したままで立ち去るヴォツェックに不安を抱き、マリーは貧乏はこりごりだと嘆く。

 第4場:パッサカリア
医者の研究室、日当たりの良い午後。生活のために、ヴォツェックは医者の実験台になっている。彼を実験動物同様に考えている医者は、咳をすることを禁じたりする。やがてヴォツェックの幻覚の報告に、自分の実験の成果と未来の名声を夢見た医者は、興奮の極致に達する。

 第5場:ロンド
マリーの家の前の通り、薄暮れ。マリーは体格の良い美男の鼓手長に見とれている。鼓手長は彼女を誘惑し、一旦は抵抗したマリーもついには男に身を委ね、家に入る。

第2幕:5楽章のシンフォニー
 第1場:ソナタ
マリーの部屋、午前、日光。マリーが鼓手長にもらった耳飾りをして、鏡のかけらで見ている。鏡で光を反射させて子供をあやしながら、貧乏な自分も金持ち連中の奥様連中に劣らず美しいと感じていると、やって来たヴォツェックが耳飾りを見咎めるので、拾ったのだと言い訳をする。ヴォツェックは二つ一緒に拾うのかと言いながらも、給金や内職の収入をマリーに渡して去る。マリーは良心の呵責を感じる。

 第2場:ファンタジーとフーガ
町の通り、昼間。急いで歩いている医者を、大尉が呼び止める。うるさく引き止める大尉を医者は、あなたも遠からず卒中になるだろうと言ってからかい、真に受けた大尉をうろたえさせる。そこにヴォツェックが通りかかるので、大尉はマリーの不貞をほのめかして愚弄する。思い当たることのあるヴォツェックは逆上し、挨拶もせず足早に立ち去る。

 第3場:ラルゴ
マリーの家の前の通り、曇った昼。嫉妬に狂ったヴォツェックが帰ってきて、マリーを詰問する。興奮して打ちかかったヴォツェックにマリーは、打たれるよりナイフで刺された方がマシだと叫ぶ。ヴォツェックは茫然と、マリーの言葉を反芻する。

 第4場:スケルツォ
酒場の庭、宵。若者や兵士たちが娘たちとレントラーを踊り、二人の徒弟職人が泥酔している。ヴォツェックが登場し、抱き合って踊るマリーと鼓手長を見つけ、飛びかかろうとするが、そこでダンスが終わり、若者や兵士たちが歌いだす。アンドレアスもギターを片手に陽気に歌い、説教を始めた職人は運び出される。一人の白痴が現れ、ヴォツェックに近づき血の匂いがするというので、ヴォツェックは目の前が真っ赤になったように感じる。

 第5場:導入部とロンド・マルツィアーレ
兵営の中の衛兵室、夜。兵士たちが眠っている。ヴォツェックひとり寝つかれずにいて、アンドレアスにたしなめられる。酔った鼓手長が登場し、俺には女がいると言ってヴォツェックに絡み、取っ組み合いの末に倒してしまう。ヴォツェックは、順番にひとりずつ、と呟く。

第3幕:6つのインヴェンション
 第1場:一つの主題によるインヴェンション
マリーの部屋、夜、燭光、聖書の「イエスと姦通女」の部分を読みながら、マリーは良心の呵責に苛まれている。子供をあやしながら、ヴォツェックが二日間やってこないのを不安に感じ、再び聖書を開き「マグダラのマリア」の部分を読んで、神に痛切な祈りを捧げる。

 第2場:一つの音によるインヴェンション(B♮)
池のほとりの森の小道、夕暮れ。ヴォツェックがマリーを供って現れ、知り合って何年になるか、お前は貞節か、などと尋ねる。その時真っ赤な月が昇り、ヴォツェックはマリーの喉を突き刺して殺し、去る。

 第3場:一つのリズムによるインヴェンション
居酒屋、夜、微光。ポルカが踊られている。ヴォツェックはマルグリートに歌を歌わせるが、彼女に血糊を発見されてしまい、大騒ぎの中を逃げ去る。

 第4場:一つのヘクサコードによるインヴェンション
池のほとりの森の小道、月光。理性を失って、マリーの死体につまづいても訳の分からないヴォツェックは、ナイフを池に捨てる。しかも、血を洗い流そうと池に入って、溺れてしまう。大尉と医者が通りかかり、人が溺れているという気配に気味悪がりながら去っていく。

 間奏曲:一つの調によるインヴェンション(D minor)

 第5場:8分音符によるインヴェンション
マリーの家の前の通り、明るい朝、日光。子供たちが遊んでいる。そこへ他の子供が来て、マリーの子供に母親の死を伝える。皆は見物に行くが、木馬で遊ぶマリーの子供だけが残される。しかしややあって、彼も木馬に乗りながら皆の後を追い、通りは無人になる。

--- 終演(約1時間35分)---
(参考 Wikipedia)


---

今回参考にしたCDはこちら。ちょっと古い録音になりますが、シェーンベルク「期待 Op.17」とのカップリングで、ドホナーニ夫人(当時)のアニヤ・シリヤが両曲で存在感を示しています。まあ、そのうちBlu-rayで良いものが出るでしょうと、淡い期待。(ジャパンカルチャーが入っていたりとかねぇ)

 wozzeck.jpg
ベルク「ヴォツェック」全曲 ドホナーニ&ウィーン・フィル、ヴェヒター、シリア(1979)

https://ja.wikipedia.org/wiki/ヴォツェック

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死の都(1916-20) [トリスタン以後]

コルンゴルト(1897-1957)
「死の都」(Die tote Stadt, 1916-20)


チェコ-ブルノ(当時オーストリア=ハンガリー)生まれの神童コルンゴルトが、若干23歳にして世に発表したオペラ「死の都」。題材としたのは、メーテルリンクと同じくゲント育ち、ローデンバックの小説「死都ブリュージュ(Bruges-la-Morte, 1892)」。コルンゴルト自身があらすじを書いているので、参考にしてみてください。

ある日、若くして死んだ妻に生き写しの女性が現れて… ノスタルジックで不思議な浮遊感を持った作品です。


Heilig_Bloed_processie_Brugge_2016.jpg
 聖血の行列 ( http://www.bloedprocessiebrugge.be/en/ )


Het_Lam_Gods.jpg
 神秘の子羊, 1432年 ( http://www.sintbaafskathedraal.be/en/index.html )


紹介動画を探してみたけどなかなか良いものがなくて...「不世出」という言葉はこの人のためにあるのかと改めて想いし、1952年のシュヴァルツコップ。たまには、故(ふる)きを温(たず)ねるのもいいかな。

 Elisabeth Schwarzkopf sings Die tote Stadt
 https://youtu.be/ZoGQd1dsAlw

Marietta's Lied

Glück, das mir verblieb,
 幸せ、僕に残された、
rück zu mir, mein treues Lieb.
 戻ってきておくれ、僕の忠実な愛しい人。
Abend sinkt im Hag
 木立の中に夕べは沈み
bist mir Licht und Tag.
 僕には光と昼が。
Bange pochet Herz an Herz
 鼓動は心から心を突き
Hoffnung schwingt sich himmelwärts.
 希望が空へと脈打つ。

Wie wahr, ein traurig Lied.
 まったくだ、悲しい歌だ。

Das Lied vom treuen Lieb,
 まことの恋人の歌よ、
das sterben muss.
 死ななくちゃいけない。

Ich kenne das Lied.
 僕の知っている歌だ。
Ich hört es oft in jungen,
 若い頃によく聞いた、
in schöneren Tagen...
 より美しい日々に...
Es hat noch eine Strophe --
 もうワンフレーズあったけど --
weiß ich sie noch?
 まだ覚えているだろうか?

Naht auch Sorge trüb,
 また、悲しみの雲も縫い合わされ、
rück zu mir, mein treues Lieb.
 戻ってきておくれ、僕の忠実な愛しい人。
Neig dein blaß Gesicht --
 君の青白い顔を向けてごらん --
Sterben trennt uns nicht.
 死が僕たちを切り離しはしない。
Mußt du einmal von mir gehn,
 いっとき、君が僕のもとを去らねばならぬとしても、
glaub, es gibt ein Auferstehn.
 僕は信じる、復活がもたらされると。


 masha.jpg



--- 主な登場人物 ---

 パウル:主人公
 マリー or マリエッタ:パウルの亡き妻 or 彼女に生き写しの女性(一人二役)
 フランク:パウルの友人
 ブリギッタ:家政婦



--- 開演 ---

舞台は19世紀のブルージュ。第2幕と第3幕の一部で起きる幻想の出来事は、想像の中では、第1幕の出来事の数週間後に起こるものである。

第1幕
ブルージュでのパウルは、若い妻マリーの死を悼んでいる。この死の町は、その鐘や朽ち果てた家々や澱んだ川や陰気な教会と回廊が常に死と無常を思い起こさせるのだが、彼にとっては、死んだ妻と過去の象徴となっていた。彼は家の中にある部屋「思い出の神殿」に、死んだ愛する妻の思い出となる品、古い家具、遺品、写真、リュートを手にした彼女を描いた大きな絵、そして何よりも、彼女の輝くブロンドの髪の房などをすべて取っておいてある。注意深く保存してあるその髪はガラスの箱の中から光り輝き、その貴重な髪の香気と美しさを彼は崇めていた。

ブルージュに着いたばかりの友人フランクは、パウルの様子がおかしいことに気づく。パウルは妻と驚くほど似た女に出会い、そのことで興奮し混乱していたのだった。彼は彼女を自分の家に招きたいという衝動を抑えることができない。彼は、彼女が「マリーの部屋」に入ってきて、死が再び生命を得るのを見たいと思っている。

女がやってくる。彼女はリールから来たマリエッタという踊り子である。彼女は、自らリュートを引きながら「死んでゆくまことの恋人の歌」を歌うが、それはパウルにとって重要な意味がある。彼女は踊り始め、パウルの感情は高ぶる。パウルはマリエッタの誘惑に屈するが、パウルを押しのけたマリエッタはマリーの肖像画を覆っていた布に絡まり、その布が取れてしまう。「まあ、これ私じゃない?同じショール、同じリュート」。しかし、彼女はリハーサルに行かなければならない。マイアベーアの「悪魔のロベール」のエレーヌの役を演じるのだ。

マリエッタが出て行った後、一人残ったパウルは、愛するマリーに対する忠誠の感情と、新しく沸き起こった欲望との間で引き裂かれる。この極限的な緊張の中で、彼は幻影を見る。マリー、彼の良心と幻想が生み出した亡霊のマリーが、肖像画の中から歩み出る。彼はずっとお前に忠節だったと告げる。「お前の髪がこの家を護ってくれる」。亡霊はゆっくり消える。「あなたは生きていくことにとらわれてるわ。他の女の人があなたを誘惑するわ。よく見るのよ。そしてしっかりと見抜くのよ」。マリーのいた場所に、パウルは突然、全く奔放に踊るマリエッタの姿を見る。

第2幕
幻影は続く。夜、パウルは、マリエッタの家の前の寂しい川岸にいる。彼は「鉄の聴罪師」であるブルージュの鐘を見つめ、恐怖に満ちた心の奥深い動揺と罪の意識にさいなまれる良心を告白する。自分は死んだ妻の魂を探し求め、そして生きた女に肉体の犠牲になり、彼女の悪徳に惹き付けられると同時に拒絶されたのである。

彼はベギン会の集団の中に修道女となったブルギッタの姿を見る。古くからの忠実な家政婦であった彼女は、パウルがマリーへの忠誠を破ったために彼の許を去っていた。突然、見知らぬ人物がマリエッタの家に近づいてくる。それはフランクである。彼もまた誘惑者マリエッタの魅力に屈している。パウルはフランクの手から彼女の鍵をもぎ取る。「我々はもう友達なんかじゃないぞ」とフランクが言う。

マリエッタの一座の仲間が、船に乗って、笑い歌いながら近づいてくる。パウルは引き下がり、見えないところで耳を澄ます。新しい、一見陽気な夢が展開する。マリエッタのためのセレナードが歌われる。彼女はダンサーのガストンと手に手を取って現れる。みんな陽気で、飲んで歌う。「ブルージュよ亡びよ!」。

マリエッタは野外で「悪魔のロベール」のエレーネの場面のリハーサルをしようと提案する。演出家のヴィクトリンが「ロベール」の中のキリストの復活のモチーフを口笛で吹く。近くの聖堂からオルガンの音が聞こえ、回廊では、ベギン会修道女たちが、影のように沈黙した証人として窓辺に姿を見せる。マリエッタがその役にある通りに、棺に見立てたベンチから立ち上がり、ガストンに対して誘惑するように踊りだすと、パウルがそこへ走って駆け寄る。彼にとって神聖なものである死者の復活をマリエッタがばかにしたことが、彼を完全に怒らせたのだ。「君が生き返った女?そんなことあるもんか」と彼は叫ぶ。

マリエッタは友人たちを帰らせ、パウルと二人きりになる。パウルは彼女に面と向かって非難を浴びせかけ、抑えていた感情を口にし、彼女の内に自分が愛していたのは死んだ妻の面影だけだという。深く傷ついたマリエッタは、自分の持つ誘惑の力を動員して、再び彼を自分の方へ引き付けようとする。もはや自制心を失ったパウルは彼女に屈してしまう。彼は一緒に彼女の家に行きたいというが、彼女は「いいえ、あなたの家に。"彼女"の家に」。その家で彼女は亡霊を永遠に追い払うために、彼と一夜を共にしたいと言う。

第3幕
翌朝、パウルが気がつくと、マリエッタがマリーの部屋で、彼女の肖像画の前で勝ち誇って立っている。その日は聖人の祝日の行列のある日で、マリエッタはこの部屋からそれを見たいと言う。集まった子供たちの歌声が外から聞こえ、行列を伴奏する神秘的な行進曲も聞こえ始める。パウルはその魅惑的な儀式に心を奪われ、その行列を描写することに耽っている。行列の先頭は、雪のように白くかすかに光る衣装の子供たち、その後に、彫像と教会の旗を手にした修道士が続く。それから、町の名士たちが、まるでメムリンクやファン・アイクのキャンバスから抜け出たような騎士の衣装を身にまとって歴史上の人物に扮している。そして、司教が現れ、金色の聖なる聖櫃を手にすると、全員が跪く。パウルも跪く。

マリエッタは馬鹿にしたような様子で彼を見ている。「あなたは信心深いのね」。彼の感情を辱めたい、自分のエロティックな力を試してみたいという悪魔のような衝動に彼女は駆られる。彼に向かって、今ここで自分にキスして欲しいという。彼は嫌悪して彼女をはねのける。再び彼は良心の闘争に圧倒され、教会の行列が自分の部屋に脅しをかけるように入ってくるのを目にする。

マリエッタは、彼と彼の迷信を嘲る。パウルは気を鎮めて、真剣に愛と忠誠を守ろうとするが、そのことでますます彼女を刺激してしまう。彼女は荒々しく彼の偽善と弱さを非難する。彼は出て行けと叫ぶが、彼女は拒否し、代わりにマリーの肖像画の方に駆け寄る。「彼女と闘うわ。熱い血の通う生きた人間と死との闘いよ」。マリエッタはマリーの髪が入った箱を見つける。「彼女の髪の毛?そうよ、きっとそうよ」。パウルはそれを彼女から奪おうとするが、彼女はそれを首に巻きつけて、皮肉を込めて笑いながら、踊り始める。怒りに震えた彼は、マリエッタをつかんで床に倒し、髪の毛を使って彼女を絞め殺す。「マリーとそっくりだ、マリー!」。

パウルの周りに暗闇が立ち込める。幻影は終わったのだ。徐々にあたりは明るくなり、パウルは目をさます。箱の中には髪の毛がそのままの状態である。ブルギッタが、先ほどきた女性が角を曲がってまた戻ってきたと伝える。マリエッタが入ってくる。彼女は自分の傘とバラの花を忘れたのだ。「きっと合図だったのね。ここにいろって教えてくれたのよ」。パウルが黙っているので、マリエッタは微笑み、肩をすくめて出ようとする。ドアのところで彼女はフランクに会う。フランクはお辞儀をし、彼女は去っていく。

「ではあれは奇跡だったのか」。そう、奇跡だったのだ。パウルはもう彼女に会うことはないだろう。苦い現実の夢が彼の幻想を壊したのだ。「我々はこの世に生きる拠り所を失わずに、死者をどこまで悲しむべきだろうか?」パウルは死の町ブルージュを後にするつもりである。「この地上では、私たちのもとを離れた人と再び結ばれることはない。死者の復活はありえないのだ」。

--- 終演(約2時間)---
(コルンゴルト自身によるあらすじ)


---

今回視聴したのはこちら。幻想的というよりは説明的といった感じの演出ですが、日本語字幕付きで、このオペラを掴むには好適かなと思います。

 korngold_die_tote_stadt.jpg
「死の都」ケーニック&ストラスブール・フィル、アンゲラ・デノケ、トルステン・ケルル(2001、日本語字幕付)

https://ja.wikipedia.org/wiki/死の都

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エレクトラ(1906-09) [トリスタン以後]

R.シュトラウス(1864-1949)
「エレクトラ」(Elektra, 1906-09)


1905年10-11月、ベルリン。リヒャルト・シュトラウスはホーフマンスタールの「エレクトラ」を観劇します。その時のヒロイン役がゲルトルート・アイゾルトで、彼女はまた、同時期に上演されたマックス・ラインハルトの「サロメ」も演じていたという偶々もあり、この戯曲もオペラいけるんじゃないかと直感した作曲家シュトラウス。

Gertrud_Eysoldt_1888.jpeg

 Gertrud Eysoldt, 1888

  * 30. November 1870
   in Pirna
 † 6. January 1955
   in Ohlstadt

 ( from Wikipedia )


しかし、さすがに題材が似すぎている(1幕物、古代神話、and ゲルトルート・アイゾルト!)と躊躇していたところを、ホーフマンスタールに強く説得されます。

--- 言ってみれば「サロメ」は赤紫(purple)と青紫(violet)で熱い雰囲気、片や「エレクトラ」は夜と昼、暗黒(black)と明白(bright)の交錯。さらに言えば、勝利と浄化へと導かれる、オレストと彼の行為に係る急展開のイベントシーケンス(僕は、書かれた言葉というよりはむしろ音楽によって、もっと力強いものになるとイメージできます)に相当するものは何もないのでは!? ただ微かに、「サロメ」に似た類のものかも知れませんが ---


こうして、エレクトラ/勝利のダンス、サロメ/7つのヴェールのダンス、という激情する女性の踊りが二つ、僕らの前に残されたのでした。


--- 待ちたまえ!「勝利のダンス」といえばベルマーレ、そんなことも忘れてしまったのかね? 昨年J2優勝、J1自動昇格... ラピュタは滅びぬ、何度でも蘇るさ! ---

bellmare_laputa.jpeg
     ♪ 緑と青の 勇者湘南 さぁ今日も行こう 勝利目指して




 Strauss - ELEKTRA (Final scene) - Elena Pankratova and Alex Penda 2014

CHRYSOTHEMIS
 ( Elektra, ich muss bei ) meinem Bruder stehn!
  エレクトラ、私はお兄様のもとへ行かなくては!

♪〜〜〜

CHRYSOTHEMIS
 Elektra!
  エレクトラ!

ELEKTRA
 Schweig, und tanze.
  黙って、そして踊れ。
 Alle müssen herbei!
  皆んなここに来なくては!
 hier schliesst euch an!
  ここで一つになろう!
 Ich trage die Last des Glückes,
  私は幸せという荷物をのせて、
 und ich tanze vor euch her.
  ここでお前たちの前で踊っているのさ。
 Wer glücklich ist wie wir,
  私たちのような幸せ者に、
 dem ziemt nur eins:
  相応しいのはただ一つ:
 schweigen und tanzen!
  黙って、踊ること!

♪〜| ♪ … ♪ … ♪

CHRYSOTHEMIS
 Orest! Orest!
  オレスト! オレスト!




 Strauss' Salome: Dance of the seven veils



初演は1909年、ドレスデン宮廷歌劇場、エルンスト・フォン・シューフの指揮にて。


--- 主な登場人物 ---

 クリテムネストラ:ミケーネの王アガメムノンの未亡人
 エギスト:クリテムネストラの愛人

 エレクトラ:アガメムノンの次女
 クリソテミス:アガメムノンの三女
 オレスト:アガメムノンの息子(エレクトラの弟)


--- 劇の背景 ---

ギリシアとトロイとの戦役の時のこと、トロイの手を逃れようとするギリシア艦隊が凪のため動けなくなった際、アガメムノンは長女イフィゲーニエを女神アルテミスに捧げて苦境を脱した。

クリテムネストラは夫のこの行為を恨んだ。トロイとの戦争で夫が不在の間に彼女はエギストと密通し、彼と共謀して、折から戦勝して帰国した夫を暗殺する。

エレクトラは弟オレストを逃がし、以後自らは下女同然の生活をしながら王宮内に留まり、いつかオレストが戻り、ともに父アガメムノンの復讐を果たす日の来ることを待ち望んでいる。


--- 開演 ---

全1幕:ミケーネの王宮の中庭。夕暮れ。

下女たちが水を汲みながらエレクトラのおぞましさについて話している。父アガメムノンの死後、エレクトラは動物並みのひどい扱いを受けているが、陰惨な姿で自らも獣のように人々を寄せ付けず、凶暴で悪意に満ち、下女たちにも悪口を浴びせている。一番若い下女だけがエレクトラに同情し、その威厳を讃える。

下女たちが監視の女に促されて家の中に入るとエレクトラが登場し、「一人きり!ああ、全く一人きり。父は逝ってしまった。冷たい墓穴に投げ込まれ... アガメムノン!アガメムノン!どこにいるのですか、お父様... 」と長大なモノローグで父への思慕とその無念の光景を語っていくが、それは次第に復讐の誓へと高揚していく。「あなたの息子オレストとあなたの娘たち、あなたの血である私たち3人は、すべてを成し遂げた時、あなたの墓の周りを回って踊りましょう... 」

恍惚としているエレクトラの前に妹クリソテミスが現れ、母とエギストが自分たちを幽閉しようとしていると告げて、姉に復讐を思いとどまらせようとする。復讐よりも女の幸せを求めたいクリソテミスは、「私は子供が欲しい,,, 私は一人の女。女に定められた運命に従いたいの。」と訴えるが、エレクトラはそれを聞き入れようとしない。

王宮の中からざわめきが聞こえ、神々に犠牲の動物を捧げる行列が出てくる。王女クリテムネストラも供の者たちを従えて現れる。王笏を持ち、宝石で身を飾り立ててはいるが、よく見れば護符を身体中に貼り付け、青白い顔をしてやつれ果てている。夜毎の悪夢に悩まされているのだ。迷信深い彼女は様々な魔術を試してみたが効果がなく、今や、エレクトラだけが彼女を救う秘法を知っていると思い込んでいる。(母と娘のダイアローグが始まる。)

なんとか秘法を聞き出そうとするクリテムネストラ。だがエレクトラは母の悪夢の原因が何であるのかよく知っている。それはオレストへの恐れ。いつかオレストが戻ってきて自分に復讐することへの恐れなのである。エレクトラは母への憎悪を募らせながら、犠牲を捧げれば悪夢は追い払えましょうと答え、しかもその犠牲は人間の女、と付け加える。そして、誰がその犠牲を捧げるのかという母の問いに「一人の男が」と答える。(母と娘の巨大なダイアローグが続く。)

エレクトラは気持ちを高ぶらせながら、犠牲になるのは他ならぬクリテムネストラである事、父アガメムノンを殺した手斧が、いつの日かクリテムネストラの上にも振るわれる事を告げ、彼女を恐怖の底に突き落とす。

その時侍女が出てきてクリテムネストラに何事か耳打ちする。急に意地悪げな笑みを浮かべながらクリテムネストラは建物の中に入っていく。それに狼狽するエレクトラ。

そこにクリソテミスが駆け込んでくる。オレストが死んだという知らせが届いたというのである。下男が二人、この知らせをエギストへ伝えようと走り去る。エレクトラは今となっては自分の手で復讐を遂げねばならない。それにはクリソテミスの手助けが必要だ。妹に懇願し、妹を抱きしめて訴えるエレクトラ。だがクリソテミスは恐れて逃げ去ってしまう。ならば一人でもと決意を固め、エレクトラは戸口のそばの地面を掘り始める。父の殺害に用いられた手斧を埋めておいた場所なのである。

そこに男が現れる。オレストである。彼はボロをまとった女が姉であることに間もなく気づくが、エレクトラの方は弟であることがわからない。「父親の亡骸にかけて、その子はここへ来たのだ。!」と叫ぶオレスト。聞き覚えのある声に、ようやく目の前に立っているのが待ちに待った弟であることがわかり、エレクトラは歓喜にむせぶ。オレストも自分の決意を打ち明ける。

オレストの扶養者の老人が現れ、オレストとともに使者に呼ばれて王宮内に入っていく。外に残り苛立つエレクトラ。弟に手斧を渡し損ねてしまったのである、やがて中からクリテムネストラの叫びが聞こえる。

エレクトラは戸口に駆け寄る。クリソテミスや下女たちの後、エギストもやって来る。「明かりを持て」とのエギストの言葉にエレクトラが松明を持って進み出て、復讐が成就する喜びに心を躍らせながら彼を建物の中へと導く。やがて小さな窓からエギストが顔を出し、「誰も聞いておらぬのか」と助けを求める。「アガメムノンが聞いているぞ」とエレクトラ。エギストは苦悶の声を上げて窓の内側に沈む。人々はオレストを担ぎ、エギストの一党を打ち倒す。

復讐を見届けたエレクトラは「黙って踊りなさい」と歓喜に陶然として異様な踊りを踊り始める。そして恍惚のうちに倒れ、動かなくなる。後には「オレスト!オレスト!」と兄を呼ぶクリソテミスの声が響くばかり...

--- 終演(約1時間45分)---
(参考 Wikipedia)



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今回参考にしたCDはこちら。歌い手を立てたシノーポリの好サポート。過度にロマンティックな表情付けは排し、すっきりとしたフレージングでオーケストラを歌わせています。

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「エレクトラ」全曲 シノーポリ&ウィーン・フィル、マーク、ヴォイト、レーミー、シュヴァルツ(1995)

https://ja.wikipedia.org/wiki/エレクトラ_(リヒャルト・シュトラウス)

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ペレアスとメリザンド(1902) [トリスタン以後]

ドビュッシー(1862-1918)
「ペレアスとメリザンド」(Pelléas et Mélisande, 1902)


台本は、童話劇「青い鳥」でも知られる、ベルギー/ゲント生まれの作家メーテルリンクの戯曲「ペレアスとメリザンド」に従ったもの。この戯曲についてはグリム童話との関連も指摘され、メリザンドが指輪を泉に落とす場面は「かえるの王さま」、その長い髪を垂らす場面は「ラプンツェル」といった具合です。

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 MAETERLINCK, Maurice.- L' Oiseau bleu. Féerie...
 (快晴、赤みを帯びた富士山の上に浮かぶ満月が綺麗。今日はひな祭り)


ドビュッシーが原作者のメーテルリンクからオペラ化の許可を得たのが1893年8月。11月にはゲントで直接会って、場面省略などの相談をしています。第1稿が完成するのは1895年8月で、作曲期間は実質2年ほど。

その後、室内楽形式での上演や、イザイが提案したコンサート形式での上演などの誘いもありましたが、これらをドビュッシーは断り、作品に相応しい空間と音響を持つオペラ・コミックでの上演に固執したため、初演は1902年まで遅れます。


「それ、ワーグナーっぽいから却下」と、某アイドルグループの総合プロデューサーのような事を言いながら作られた、前例のない(inOui) オペラ。歌とも言えない歌に幻想的な音楽が寄り添い、時に感情が高ぶるもののその波も早々と収まり、静かに物語は進行していきます。


--- 主な登場人物 ---

 国王アルケル:ゴローとペレアスの祖父
 ジュヌヴィエーヴ:ゴローとペレアスの母
 ゴロー:王子
 ペレアス:ゴローの異父弟
 メリザンド:ゴローの後妻
 イニョルド:ゴローの息子(先妻との子)


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 "Pelléas et Mélisande" - animation film( by Festival d'Aix 2016 )

--- 開演 ---

第1幕:第1場
短い序奏に続いて幕が上がると、伝説の国アルモンドの森。泉のほとりで、水の中に金の冠を落としてしまい嘆き悲しんでいるメリザンドがいる。

道に迷ったゴローが彼女の姿を見つけ、その美しさに魅せられる。ゴローはいろいろ彼女に質問するが、何を聞いてもはっきりとした答えをせず怯えているばかりである。やっと名前だけを答えた彼女を「暗くなったのでどこかへ身を寄せなければ」と誘う。彼女は怖いながらも仕方なくついていく。

 第2場
半年後、殆ど盲目の国王アルケルに、王の娘ジュヌヴィエーヴが息子ペレアス宛の手紙を読んで聞かせている。兄ゴローからの、メリザンドと結婚したという内容である。ゴローにしてみれば、再婚者もすでに決まっている王子が森の中で出会った誰とも知れぬ女と結婚したということが、王の怒りに触れるかと思い、直接報告できないでいたのだ。王は、とにかくゴローが一度城に戻ってくるようにと、手紙の指示に従い合図の火を焚くようペレアスに命ずる。

 第3場
城の前でペレアスと母、そしてメリザンドが海を眺めている。嵐がやってくるなか一艘の船が船出する。メリザンドはその船が、自分がゴローとともにアルモンドにやってきた船であることに気づき、難船するのではと不安がる。母ジュヌヴィエーヴは二人を残して城へ戻り、メリザンドに気があるペレアスはそれとなく彼女の意志を確かめようと謎かけのような会話を交わす。

第2幕:第1場
森のなかの泉。ペレアスは「盲目の泉」のいわれなどを説明しながらメリザンドを遠回しに口説いている。ゴローのことなどを聞かれてもメリザンドは適当に話をそらそうとする。メリザンドがゴローから貰った指輪を外しふざけているので、ペレアスはやめるように言うが、彼女は指輪を泉の中に落としてしまう。狼狽するメリザンドに、ペレアスは真実を語るよう勧める。

 第2場
城の中のゴローの寝室。ゴローは猟へ行って落馬したためベッドに横になっている。落馬のことなどをメリザンドと話しながら、看病しようとする彼女を気遣い、休んでも良いと告げる。しかし彼女の指に自分が与えた指輪がないのに気づいたゴローは訳を問い詰める。メリザンドは誤って海岸で落としてしまったと嘘をつくが、ゴローは激しく怒り、夜を徹してでもペレアスとともに探すよう命じる。

 第3場
指輪を落としたと偽った海岸の洞窟の中、メリザンドはペレアスと二人でやってくるが、老いた乞食が三人眠っているのを見て怖くなり城へと戻る。

第3幕:第1場
城の塔にあるメリザンドの寝室、メリザンドは髪をブラッシングしている。ペレアスが窓の下にやってきて、明日には別れなければならないので手を唇に当ててくれと頼む。窓から身を乗り出したメリザンドの長い金髪が垂れ落ち、ペレアスがそれに触れ、柳の枝に絡ませたりと戯れていると、ゴローが現れる。時間が時間で場所が場所だけに少し訝るが、単にふざけ合っているものと自分に言い聞かせ、二人に文句を言うだけで済ます。

 第2場
城の地下にある岩屋、ゴローがペレアスを伴って現れる。ゴローはランタンで澱んだ淵を照らし、ペレアスにそれを覗かせる。気分の悪くなったペレアスは、外へ出ようと誘う。

 第3場
地下から抜け出て、ほっとするペレアスにゴローは、メリザンドも母となる身、疑われるような真似はしないようにと忠告する。

 第4場
城の前。ゴローはイニョルドを膝に乗せ、メリザンドとペレアスが二人でいる時の様子を聞き出そうとするが、なかなか要領を得た答えが返って来ず苛立ってくる。今度はイニョルドを窓のところまで掲げて中の様子を探ろうとするが、イニョルドがむずがるので諦めて解放する。

第4幕:第1場
病床にある父の寝室から出てきたペレアスが、父の言葉に従い明日から旅に出て二度と会えないだろうからと、メリザンドに森のなかの泉で逢ってくれるように頼む。

 第2場
国王がメリザンドと城での生活について話しているとゴローが登場。メリザンドの不貞の疑念に取り憑かれたゴローは、散々悪態をついたかと思うと大人しく退場する。

 第3場
森のなかの泉。イニョルドが遊んでいると日が暮れてくる。

 第4場
ペレアスがやってくる。やがて、メリザンドが登場。後ろめたさも忘れた二人はついに抱き合うが、そこへゴローが現れ、ペレアスを刺し殺す。メリザンドは命からがら逃げのびる。

第5幕
メリザンドが寝室で、国王や医者、そして夫のゴローに囲まれ横たわっている。彼女はすでに余命いくばくかもないと思われるほど衰弱しきっている。

彼女は「ペレアスを愛していたか」というゴローの質問に対して肯定する。ゴローは怒り、肉体関係の有無も尋ねると、それは否定する。彼女はそのまま産気づくが、出産と同時に死んでしまう。ゴローはあまりの悲しさに泣き伏すが、祖父の国王アルケルはやさしく彼を慰める。

--- 終演(約2時間半)---
(参考 Wikipedia)


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今回参考にしたCDはこちら。フランス語圏であるモントリオール響をバックに、フレンチ・ネイティヴの歌手で固めた、デュトワこだわりの一品です。

  pelleas_et_mellisande.jpg
「ペレアスとメリサンド」全曲 デュトワ&モントリオール交響楽団、アンリ、アリオット・ルガズ(1990)

https://ja.wikipedia.org/wiki/ペレアスとメリザンド_(ドビュッシー)

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ルサルカ(1900) [トリスタン以後]

ドヴォルザーク(1841-1904)
「ルサルカ」(Rusalka, 1900)


アメリカ滞在中には、交響曲「新世界より」(1893) やチェロ協奏曲 (1895) などのアメリカ音楽要素を取り入れた作品を残したドヴォルザークですが、帰国後はボヘミアの素材に立ち返り、4つの連作交響詩「水の精」,「真昼の魔女」,「金の紡ぎ車」,「野ばと」を1896年に書き上げています。これらはすべて、ボヘミアの作家カレル・ヤロミール・エルベンの13篇からなる詩集「詩の花束 (Kytice)」に題材を得たものです。

Wildflowers_poster.jpg
 Wild flowers, 2000
  based on "Kytice" by K.J.Erben

  1. Kytice (花束)
  2. Vodník (水の精)
  3. Svatební košile (花嫁衣装)
  4. Polednice (真昼の魔女)
  5. Zlatý kolovrat (金の紡ぎ車)
  6. Dceřina kletba (娘の呪い)
  7. Štědrý den (クリスマス・イヴ)


1900年に書かれたオペラ「ルサルカ」も、上記のエルベンやBožena Němcováのおとぎ話を題材にしたもので、ヤロスラフ・クヴァピル(1868年生まれ)というドヴォルザークよりも一世代若い詩人がチェコ語の台本を作成しています。内容的には、アンデルセンの「人魚姫 (1836)」やフーケの「ウンディーネ (1811)」とも重なるもの。

音楽的には、20世紀に蘇ったロマンティック・オペラといった趣でしょうか。初演は1901年、プラハ国民劇場にて、大成功を収めています。


--- 主な登場人物 ---

 ルサルカ:水の精(ニンフ)
 ヴォドニク:水の精(ゴブリン)
 イェジババ:魔法使い

 王子、外国の王女


・月に寄せる歌(ルチア・ポップ)

 Lucia Popp: Song to the Moon (Rusalka)

--- 開演 ---

第1幕:湖のほとり
月夜の晩、木の精たちが踊っているが、水の精ルサルカだけは浮かない様子。彼女はヴォドニクに、しばしば湖に来て水浴しているハンサムな王子にどれだけ恋してしまっているかを打ち明けていた。ルサルカは、王子が彼女の愛情に応えて自分を腕の中にぎゅっと抱きしめてくれたらと、人間の姿形を得たいと切望している。ヴォドニクは、魔法使いイェジババの助けを借りるようにと助言する。ルサルカは銀の月に、恋焦がれる王子のところへ運んでくださいと懇願する。

イェジババは、彼女を人間の姿にすることを承諾するが、それと引き換えに厳しい条件があった。ルサルカは話す力を引き渡さなければいけないのだ。さらにその上、もしも人間の愛を勝ち得なかったなら、彼女とその愛する者は永遠の地獄の苦しみを受けることになるのだ。ルサルカは、自分の愛がすべてに打ち勝つと確信し、その条件を呑むことにする。

夜明けが近づき、狩りの角笛の音がする。王子は神秘的な白鹿を追いかけていたのだが、まるで魔法のように自分が湖へと引き寄せられて行くのに気付き、そして彼の前に黙って立っているルサルカを見つける。この魅力的な光景に心奪われ、王子は彼女を城へと運んでいく。

第2幕:王子の城
王子の城では結婚式の祝宴が整えられるが、彼女は王子に魔法をかけたのだ、という使用人たちの間に広まっている噂話に、森からやってきたミステリアスな花嫁は怖れるとともに憤っているは明らかだった。

折しも、王子は今や、結婚式のゲストである外国の王女に気をとられている様子。噂には真実のかけら以上の力がある。王子は彼の花嫁が冷たく臆病であることに失望する一方で、洗練された王女は正により魅力的で、よりはっきりと主張できるタイプに見えた。屈辱的な思いで、ルサルカは城の庭へと飛び出し、涙ながらに、池から祝宴の様子を見守っていたヴォドニクに失意と挫折を吐露する。

彼はルサルカに辛抱するようにと助言するが、彼女が、王子と王女が抱き合っているのを見つけるに及び、事態は危機的となる。怒ったヴォドニクは王子に立ち向かって、ルサルカを水中界へと引き戻す。王子は恐怖のあまり王女に助けを請うが、彼女はうんざりして姿を消してしまう。

第3幕:湖のほとり
蒼ざめ悲しそうな様子でルサルカは湖のほとりへと戻ってきた。彼女の悲哀はイェジババを当惑させ、唯一の希望は、あの女たらしの血を零すことで元の姿に戻ることだとルサルカに伝える。イェジババは彼女にナイフを手渡すが、彼女はそれを湖へと放り投げる。王子のために自分の幸福を犠牲にした方がまだマシだと。

その頃、王子の忠実な家来たちは心配して、彼の代わりにその責め苦を引き受けようと、靴を震わせながらも助けを求めて魔法使いを訪ねようとしていた。しかし復讐心を持ったヴォドニクが湖から姿を表すと、一目散に逃げ出した。

一方王子は、ルサルカに初めて出会った湖に再度引き寄せられる。彼女が鬼火の姿で彼の前に現れる。生きているのでも死んでいるのでもなく、女性でも妖精でもなく、今や彼女は夜通し彷徨い、人間たちを水の墓へと誘惑しているのだ。

王子は許しを請うが、裏切り故に取り合ってはもらえない。彼女は彼に、私の抱擁からは逃れられないのだと警告するのだが、彼は自分にキスをして安らぎを与えて欲しいと願う。彼女は、ナイフでは決してやろうとしなかったことを、キスによって成し遂げてしまう。王子は抱擁の中でこの上なく幸せに、息絶えるのだった。

命を犠牲にすることで王子は自身を取り戻すが、ルサルカは彼女の自身の運命からは逃れられない。久遠の中へと消えいくとともに、王子に最後の祝福を投げかける。「あなたの愛、美しさ、人間としての移り気な情熱、そして私をこの運命へと責めやった全てのもののために、神が、人間たるあなたの魂に慈悲を示してくださいますように!」

--- 終演(約2時間25分)---
(参考 Wikipedia)


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今回参考にしたCDはこちら。「ルサルカ」の伝道師、ルネ・フレミングの歌ったものです。

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「ルサルカ」全曲 マッケラス&チェコ・フィル、フレミング、ヘップナー(1998)

https://ja.wikipedia.org/wiki/ルサルカ_(ドヴォルザーク)

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ラ・ボエーム(1893-96) [トリスタン以後]

プッチーニ(1852-1924)
「ラ・ボエーム」(La Bohème, 1893-96)


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タネ本はアンリ・ミュルジェールの「ボヘミアン生活の情景(1851)」。ルイージ・イッリカ&ジュゼッペ・ジャコーザが台本を担当し、プッチーニ自身も台本にはかなり注文をつけたそうです。

《 ルイージ・イッリカ&ジュゼッペ・ジャコーザの関わったプッチーニ作品 》

  マノン・レスコー(Manon Lescaut, 1893)
  ラ・ボエーム(La Bohème, 1896)
  トスカ(Tosca, 1900)
  蝶々夫人(Madama Butterfly, 1904)


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舞台はパリの学生街カルチェ・ラタン。パリ大学=ソルボンヌのある、気楽な一帯です。その一隅にはクリュニー中世美術館があり、名高い6枚の連作タペストリー「貴婦人と一角獣」は、小説「カルメン」の作者プロスペル・メリメが1841年にリムーザン地方のブーサック城で再発見したもの。そこで暮らしたジョルジュ・サンドが小説「ジャンヌ(1844)」等で取り上げたことで世に知られることとなり、1882年にこの美術館に収蔵・修復されたとのこと。

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 特集:クリュニー中世美術館


話が逸れましたがイタリアオペラに戻って、時は1830年代。ミミとロドルフォの出会いはクリスマス・イブ(Vigilia di Natale)に設定されています。第2幕、皆で繰り出し、賑わうカルチェ・ラタン、子供たちのはしゃぐ声。その残響の中、物語は悲しい結末へと向かうのでした。

初演は1896年、トリノ・レージョ劇場にて、若き日のトスカニーニの手で行われています。


--- 主な登場人物 ---

 ロドルフォ:詩人
 マルチェッロ:画家
 ショナール:音楽家
 コルリーネ :哲学者

 ミミ:お針子
 ムゼッタ:マルチェッロの元恋人


・ムゼッタのワルツ(アンナ・ネトレプコ)

 Anna Netrebko - Puccini - La Bohème Quando m'en vo' soletta


・その冷たい手/私の名はミミ

 Che gelida manina - Mi chiamano Mimi- Puccini

--- 開演 ---

第1幕:パリの屋根裏部屋
画家のマルチェッロは「紅梅」と題する大作に取り組んでいるが、どうもうまく描けずイライラしている。詩人のロドルフォは灰色のパリの空の下の多くの屋根からは煙突から煙を吐いているのに、我が家の暖炉の奴は何をしてやがるんだ、寒くてしょうがないと嘆き、薪がないので原稿を暖炉に入れて燃やし始める。

そこに哲学者のコルリーネが帰り、続いて音楽家のショナールがうまいこと金を稼いで薪や食べ物をどっさり抱えて帰ってくる。皆が大喜びして食べ始めると家主のベノワが家賃を取りに来る。四人は始めは慌てるが、うまいこと追い返し、皆で夜の街に繰り出して行く。ただロドルフォだけは今日締め切りの原稿を書くから下で待っていてくれと残る。

一人原稿を書き始めようとしている時、ノックが聞こえ階下に住むお針子のミミがローソクの火を借りに来る。しかし胸の病があるミミは階段を上がってきただけで息切れがしてしまい、軽いめまいを起こす。ロドルフォは親切に椅子にかけさせ、ブドウ酒を気付け薬として飲ませ、彼女の美しいその顔に見入る。

一息ついたミミは帰りかけるが、入り口のところで鍵を忘れてきたことに気付き立ち止まる。そのとき隙間風がミミのローソクを消し、そこに来たロドルフォのローソクの日も消してしまう。暗がりの中で鍵を手探りで探す二人の手が触れ合い、ハッとするミミの手をしっかりと握ったロドルフォは歌い出す「その冷たい手」。彼はそこで自分の身の上を話し、ミミもそれに応えて「私の名はミミ」を歌い、自分の身の上を話す。

下で待っていた仲間たちがしびれを切らし、まだ原稿はできぬかと下から怒鳴る声がする。ロドルフォは彼女が来たんだ先に行ってくれと答え、折から射し込む月光に浮かぶミミの姿にうっとりと歌いだす。二重唱「ああ愛しき乙女」。二人は意気投合し、夜のパリの街へと繰り出す。

第2幕:カフェ・モミュス
クリスマス・イヴで賑わう雑踏の中をくぐって、二人は友人たちの待つモミュスにたどり着く。ロドルフォはミミを皆に紹介し、皆で楽しく食事を始めようとしたところに、今は金持ちの愛人になっているマルチェッロの昔の恋人ムゼッタがやってくる。彼女はそこにマルチェッロがいるのに気付き、彼の気を引こうと歌いだす「私が街を歩けば (ムゼッタのワルツ)」。マルチェッロもその唄を聞いていたたまれなくなる。

ムゼッタはついに足が痛いと大声を上げてパトロンの金持ちの老人に靴を買いに行かせ、その隙にマルチェッロの胸に飛び込み、皆の勘定をその金持ちのツケにして若者たちとともに雑踏の中に消えていく。靴を急いで買ってきたパトロンは若者たち全員の勘定を突きつけられて卒倒してしまう。

第3幕:ダンフェール門、雪の夜明け(2月末)
早朝パリの城門が開くと郊外から百姓女たちが各々、野菜などを持って売りに入ってくる。ミミはマルチェッロとムゼッタが働いている居酒屋を探しに来て、彼を外に呼び出し、ロドルフォとの愛の生活がもう破滅なのと訴える。嫉妬深いロドルフォとの諍いに疲れ切っているミミに、マルチェッロは慰める術を知らない。

しかし実はミミの来る前にロドルフォがここにやって来ていて、居酒屋で寝込んでいたのである。ロドルフォが起きだして外に出てくるので、ミミは急いで木陰に隠れる。ロドルフォは「ミミは浮気な女なんだ」と彼女と別れると言い出すが、マルチェッロにたしなめられ、ついに本音を吐く。「ミミは病気なのだ。こんな貧乏詩人と一緒じゃ命が持たないのだ。だから…」と言いかけた時、木陰からミミのすすり泣く声が聞こえ、驚くロドルフォに、ミミは静かに歌いだす。「さようなら」。

その時マルチェッロはムゼッタが他の男とふざけ合っているのを見て嫉妬し、二人は派手に喧嘩をし始める。静かに理解し合って別れる二人と、激しく罵り合って別れる二人の二組の四重唱で幕となる。

第4幕:再びもとの屋根裏部屋(数ヶ月後)
昔の仲間がまた元の生活に戻っている。ロドルフォとマルチェッロは仕事が手につかず、昔の恋人を思い出して歌う。「もうミミは帰ってこない」。そこにあとの二人も戻ってきて、皆でふざけて子供のように騒いでいるところへ、突然ムゼッタが現れ、ミミが死にそうなのでここに連れてきたのだという。

皆が驚く中にミミが運び込まれる。ミミは一時子爵の世話になったが、心ではロドルフォを愛していることを見抜かれ、棄てられて、無理をして働いて体を悪くしてしまったのだ。ムゼッタは自分の耳飾りを売って医者と薬をと言いマルチェッロとともに出て行き、ショナールも気を利かせて部屋の外に出る。

二人になってミミとロドルフォは激しく抱擁し、昔を懐かしく思い出す。しばらくしてまた激しく咳き込むミミを横にした時、皆が戻ってくる。ミミはムゼッタの持ってきてくれたマフを喜びながら、眠くなったと目を閉じる。ロドルフォは夕日がミミの顔に当たらないよう窓のカーテンを閉めに行く。

その時ショナールがミミがすでに息を引き取っているのを見つけ、そのことをマルチェッロに告げる。コルリーネが戻ってきてロドルフォにお金を渡そうとした時、皆の様子が変なのに気づいたロドルフォはミミの死を知り、ベッドに駆けつけ、激しく「ミミ!」と絶叫して彼女の亡骸の上に泣き伏す。

--- 終演(約1時間45分)---
(参考 Wikipedia)


---

今回参考にしたCDはこちら。アラーニャ&ゲオルギューのスーパーカップルに、シャイー&ミラノ・スカラ座の強力なサポートということで、当時話題になったものです。

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「ラ・ボエーム」全曲 シャイー&ミラノ・スカラ座、ゲオルギュー、アラーニャ(1998)

https://ja.wikipedia.org/wiki/ラ・ボエーム_(プッチーニ)

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ウェルテル(1885-87) [トリスタン以後]

マスネ(1842-1912)
「ウェルテル」(Werther, 1885-87)


このオペラについては、2009年に大野和士率いるリヨンオペラがコンサート形式での来日公演を行っています。その時のパンフレットに大野自身による作品解説が記されているので、先ずはそちらを参照していただければと思います。(ちょっと字が小さいかもですが)

 Secret History 大野和士が語る「ウェルテル」誕生秘話
 〜〜「ウェルテル」はマスネの「トリスタン」だ! 〜〜
  http://www.bunkamura.co.jp/old/orchard/lineup/09_lyon/secret.html



「オシアン」についてだけ補足。

--- また十八世紀の末に「オシァン」が出た。これはマクファーソンの胡魔化しものだというが、とにかくこれが出た時は非常な評判でゲーテも愛読し、ナポレオンも愛読した。--- 夏目漱石「文学評論」


 Pourquoi me réveiller, / 何ゆえに我を起こす、
  ô souffle du printemps, / ああ、春の息吹よ、
   Pourquoi me réveiller? / 何ゆえに?
 Sur mon front je sens tes caresses, / お前が撫で行くを額に感じ、
  Et pourtant bien proche est le temps / さあ、時はまさに近づかんとする
   Des orages et des tristesses! / あらしと哀しみの!


紅梅がちらほら咲き始めたこの時節に合っていないこともないな、うん。近年の研究では、マクファーソンがスコットランド・ゲール語のバラッドを収集していた事実が明らかとなり、彼がそれらの口承を数々の写本と照合した可能性もあるということで、完全な自由創作という訳でも無いようです。

このスコットランドのオシアン叙事詩の源流と言われるのが、アイルランドのオシアニック物語群(フィン物語群)。時代背景は3世紀前後で、吟遊詩人(bard)のオシーン(Oisín)が、神話上の英雄であるフィン・マックールとフィアナ騎士団の勲功を詠んだもの。また、オシーンは死の間際に聖パトリック( 387 ? - 461.03.17)の訪問を受けた、という言い伝えもあるそうです。

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 Trinity Lucky Shamrock Ornament ( s7.orientaltrading.com )


子供達の"Noël, Noël"で始まり、最後のウェルテルの死も"Noël, Noël"の歌声と交感するこのオペラ、初演について。

1887年の完成後もパリのオペラ・コミックではお蔵入りとなっていた「ウェルテル」ですが、1890年に「マノン」がウィーンで大成功をおさめたことから本作品への関心も沸き、1892年2月にドイツ語版がウィーンで初演され好評を得ました。フランス語版は同年12月にジュネーヴで初演。パリでの初演は翌年1月16日となっています。


--- 主な登場人物 ---

 ウェルテル:主人公の青年(23歳)
 シャルロット:法務官の長女(20歳)
 ソフィー:シャルロットの妹(15歳)
 アルベール:シャルロットの許婚者(25歳)
 ヴェツラールの法務官:シャルロットの父


(動画2つ貼りましたが、録音レベルが高いので音量を抑えて聞いてください)

・手紙の歌(エレナ・ツィトコーワ)

 Werther. Massenet. Elena Zhidkova: Werther! Qui m'aurait dit... ces lettres


・オシアンの歌(ロベルト・アラーニャ)

 Werther. Jules Massenet. Pourquoi me réveiller? Roberto Alagna

--- 開演 ---

前奏曲〜第1幕:法務官の家の庭
179X年7月、フランクフルトに近いヴェツラールの町の法務官の家。まだ7月というのに、法務官が自分のうちの子供たちにクリスマスの歌を練習させている。そこへ友人のシュミットとヨハンが姿を現し、その夜に催される舞踏会や、法務官の長女シャルロットの許婚者であるアルベール、そして彼女の従兄に当たる多感な青年ウェルテルについて世間話を始める。

二人が去った後、仕事でこの地を離れているアルベールに代わってシャルロットと舞踏会へ行くことになっているウェルテルが登場し、目の前に繰り広げられる自然の美しさに感動しながら「おお、恵みに満ちた自然よ」を歌う。しかし彼が最も感動させられたのは、母亡き後、下の6人の弟妹たちの母親役を立派に果たしているシャルロットの健気な姿であった。

二人が舞踏会へ出かけて行った後、アルベールが突然帰郷して妹のソフィーを驚かすが、彼女からシャルロットとの結婚の準備が順調に進められている旨を聞かされた彼は、恋人の愛を確認し「彼女は僕を愛している」でその喜びを歌う。

やがて月の光に照らされながらシャルロットとウェルテルが舞踏会から帰ってくる。夢のようなひと時を過ごし、幸せに満ち足りたウェルテルは彼女に自分の熱い思いを打ち明けるが、シャルロットは顔を曇らせるばかりで、一向にそれに応えようとしない。そのとき家の中からアルベールが帰ってきたことを知らせる父の声が聞こえる。アルベール?不審に顔を歪めるウェルテルに、シャルロットは「母親の遺志で私の夫になる方のお名前です」という絶望的な言葉を投げかけ、家の中へ走り去る。

第2幕:菩提樹
それから2ヶ月余り経ったヴェツラールの街の広場。結婚したアルベールとシャルロットが午後のミサに参列する人々に混じって姿を現し、ベンチに座って幸せそうに幾つかの言葉を交わし合った後、教会に入っていく。

そんな二人の姿を目にしてさらに苦悩の度を深めるウェルテル。そこにアルベールが現れ、ウェルテルが自分の妻を愛しているのを知りながらも、彼に対して同情と深い友情を示し、折良く両手に花を抱えながら現れた、無邪気にウェルテルに踊りに連れて行ってくれるようせがむソフィーと結婚してはどうかと提案する。

そんな彼の言葉にますますシャルロットに対する思いが深まっていくのを感じたウェルテルは、二人と入れ替わりに教会から出てきたシャルロットの後を追い、結婚しても変わらない自分の愛を打ち明ける。はじめのうちはそんなウェルテルに「私はアルベールを愛しています。もう自分の前に姿を現さないでください」と毅然とした態度をとるものの、心の底では彼を愛していて、クリスマスの祝宴に来るようにと言ってその場を去る。

一人残ったウェルテルが、神に救いを求めながら「あの人の安らぎのために」を歌っているところにソフィーが現れ、一緒に金婚式の行列を見に行こうと誘う。愛するシャルロットのために二度と戻らぬ旅に出ることを決意したウェルテルは、彼女にその旨を伝えて走り去る。涙にくれるソフィーからその話を聞いたシャルロットは複雑な思いにかられる。

第3幕:シャルロットとウェルテル
クリスマス・イヴのアルベールの家。ウェルテルを永遠に失って、彼の存在がいかに自分の心の中で大きな位置を占めていたかに気づいたシャルロットは、旅先から送られてきた数々の手紙を読み返しながら「手紙の歌」を歌う。最後に近々届いた自殺をほのめかす手紙を読み、絶望のあまりその場に泣き崩れる。

そこに両手いっぱいのクリスマスプレゼントを抱えたソフィーが現れ、イヴを自分たちと一緒に過ごそうと誘うが、彼女は一人にしておいて欲しいとその申し出を断る。姉の涙が何の理由によるかを知っているソフィーは、彼女に大きな同情を寄せながら出て行く。

再び悲しみにくれるシャルロットがふと物音に気付いて顔を上げると、部屋の戸口のところにウェルテルが立っている。できるだけ平静を務めようとする二人。懐かしそうに部屋を見て回るウェルテルがピストルに目をやった時、不吉な予感を感じたシャルロットは、彼の注意をそれからそらすために昔彼が愛読した詩集を手渡す。

ウェルテルは懐かしそうにその詩集のページをめくりながら「オシアンの歌」を歌う。その歌を聴いて感動に涙を浮かべるシャルロット。感極まったウェルテルは、激情に駆られながらついに彼女を抱きしめてしまう。「もう二度とお目にかかることはないでしょう」という彼女の言葉についに自殺を決意したウェルテルは、妻の不審な様子を訝しがるアルベールの元に使いを送り、旅に出るからピストルを貸して欲しいと言伝させる。「貸してやれ」との夫の冷たい言葉を聞き最悪の事態を予想したシャルロットは、悲劇が起こる前に間に合うことを祈りながら狂ったように家を飛び出す。

第4幕:第1場:クリスマスの夜
オーケストラが間奏曲を奏でる前にウェルテルがピストル自殺を図る。

 第2場:ウェルテルの死
シャルロットがウェルテルの家で目にした光景、それはウェルテルがすでに瀕死の重傷を負って椅子の上に倒れている恐るべき光景だった。必死に彼の名を呼ぶシャルロットの声に、わずかに意識を取り戻すウェルテル。彼がまだ生きていることを確認したシャルロットは助けを呼びに行こうとするが、彼女の腕の中でこのまま幸せに死んでいきたいと願うウェルテルはそれを制止する。

あなたを愛しています!ウェルテルに対して初めてシャルロットが口にした愛の言葉。その言葉を耳にしたウェルテルは、法務官の家から子供達の楽しそうな歌声が聞こえる中、至福の喜びに浸りながら静かに息をひきとる。

--- 終演(約2時間20分) ---
(参考 Wikipedia)


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今回参考にしたCDはこちら。永井荷風も横浜正金銀行リヨン支店駐在中に「ウェルテル」を観ているそうです。

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「ウェルテル」全曲 ナガノ&リヨン国立歌劇場、ハドリー、オッター、アップショウ(1995)

https://ja.wikipedia.org/wiki/ウェルテル_(オペラ)

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オテロ(1880-86) [トリスタン以後]

ヴェルディ(1813-1901)
「オテロ」(Otello, 1880-86)


--- ドラマ形式という点では、すべてが計算/熟考され尽くされ、新しい芸術の仕方を完全に受け入れたように見える。しかし発想においては、ああ、ヴェルディは何も変わっていない。彼は彼のままだ... "音楽=イタリア"は未だ失われてはいない。---

(批評家 Ugo Captti, 1887.2.5/ミラノ・スカラ座, オテロ初演)


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  Lion of Venice( from Wikipedia )


アイーダ (1870)、レクイエム (1873) 以降、作曲から遠ざかって農場経営に勤しんでいたヴェルディが、楽譜出版社リコルディの周到な根回しと強力な働きかけに押されて、十数年振りに書き下ろしたオペラ。その晩年を飾る充実作です。

台本はシェークスピアの「オセロ」がベースで、シモン・ボッカネグラ改訂版 (1881)でヴェルディの信頼を得た、アリゴ・ボイトによるもの。ちなみに、アリゴの兄 カミロも才人で、ゴシック・リバイバルの建築家として、また文筆家としても活躍。小説「センス (Senso, 1882)」は、ヴェネチア国際映画祭《金獅子賞》にノミネートされた、ルキノ・ヴィスコンティの「夏の嵐 (Senso, 1954)」…イル・トロヴァトーレ, フェニーチェ劇場の場面から始まる… の原作にもなっています。


さて、ヴェルディはここで前作「アイーダ」にもいや増して、より音楽と劇とが一体化した世界を探っていますが、其の垣間見せるクロマティックな表情でさえ、1883年に死去したワーグナーへの追憶に聞こえてきます,,,

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 ルキノ・ヴィスコンティ「家族の肖像 (1974)」


...世代のせい? 「Ludwig」のヴィスコンティ、「BANANA FISH」の吉田秋生、《山猫》で思い浮かぶのは?



--- 主な登場人物 ---

 オテロ;ムーア人で、ヴェネツィア領キプロスの総督
 デズデーモナ:オテロの妻

 イアーゴ :オテロの旗手
 エミーリア:イアーゴの妻で、デズデーモナの女中

 カッシオ:オテロの副官
 モンターノ:キプロスの前総督
 ロドリーゴ:ヴェネツィアの貴族



 Otello trailer (The Royal Opera)


・楽曲解説(アントニオ・パッパーノ, 10分弱)
 Why performing Verdi's Otello ranks among opera's greatest challenges
 https://youtu.be/R5JZGBhbK_Q



--- 開演 ---

第1幕:キプロス島の海に面した砦の外
沖合では将軍オテロの率いるヴェネツィア艦隊が、嵐の吹き荒れる海でのトルコ艦隊との海戦に勝利し戻ってくる。民衆が心配そうに見守る中、荒海の中やっとの事で接岸した軍艦からオテロが上陸してくる。オテロは歓呼して迎える民衆に「喜べ、高慢なる回教徒は海に沈んだ」と高らかに歌い、人々に送られて城の中に入っていく。

嵐も静まり人々は戦勝気分に酔って騒ぎ始める。デズデーモナにふられ沈んでいるロドリーゴのところへイアーゴが近づき、実は俺も黒人のオテロと副官のカッシオに恨みがある、きっと仇を討ってやると囁き、「乾杯の歌」を歌いながら断るカッシオにどんどん酒を勧め泥酔させる。その時、折から砦の見張りの番だと告げられたカッシオは、千鳥足で行こうとして皆に笑われ、前総督モンターノにも見咎められるので怒り、剣を抜いてしまう。イアーゴは騒ぎを煽り、城外は大騒動になってしまう。

騒ぎを聞きつけたオテロが砦から出てくる。カッシオは総督の出現に驚き剣を収めるが、すでにモンターノは傷ついている。また愛妻のデズデーモナまでが眠りを覚まされて出てきたのを見て、前任者をかような不祥事に遭わせ、彼女まで起こしてしまったと憤慨してカッシオを罷免し、皆に帰宅を命ずる。事の成り行きで夜更けの海岸に妻と二人っきりになったオテロは優しく彼女に話しかける、二重唱「もう夜も更けた」。オテロは妻に三度接吻しやさしく抱きしめる。

第2幕:城内の庭園
沈んでいるカッシオにイアーゴは復官のためにはデズデーモナに取り入るのが一番だと囁き、頷いて立ち去る彼の姿を見送りながら悪魔への信条「クレード」を歌う。庭に出てきたデズデーモナにカッシオが近づき取りなしを頼みこむ。しかしそのとき遠くにオテロの姿が見えるのでカッシオは逃げ去る。

イアーゴは現れたオテロに気づかぬふりをしながら、「何たることだと」つぶやき、オテロはそれを聞き咎める。イアーゴは、いや何でもないと思わせぶりに言い、問い詰めるオテロに、カッシオとデズデーモナについて奥歯に物の挟まった言い方でつぶやき、オテロに二人の関係について疑念を持たせる。

島民たちと船乗りたちがデズデーモナに花を捧げに来る。皆が立ち去ると彼女はオテロの執務室に入ってきてカッシオの赦免を願う。彼は疑いを裏書するような妻の願いに、だんだんと不機嫌になってくる。気づかぬデズデーモナは夫が普段のように言うことを聞いてくれないので意地になって主張する。そして脂汗を浮かべた彼の顔を拭こうとすると、オテロはハンカチを払い落とす。侍女のエミーリアがそれを拾い上げると夫のイアーゴがそれをひったくる。デズデーモナは甘えるように夫に許しを求め、オテロは妻の汚れなき顔を見て悩む。四人四様の心情を吐露した四重唱の後、デズデーモナとエミーリアは立ち去る。

オテロは妻への疑いを深め苦悩する、モノローグ「さらば栄光よ」。さらにイアーゴを捕えて証拠はどこにあるのかと詰め寄る。イアーゴは証拠はないが、カッシオが寝言でデズデーモナとの愛を呟いたと囁き、さらに彼が彼女のハンカチを持っていたと言うに及んで、オテロの怒りは爆発し、死神に復讐を誓う、二重唱「大理石のような天に誓う」。

第3幕:城砦の大広間
ヴェネツィア大使の軍艦が港外に見えたことが告げられる。イアーゴはオテロに、ここにカッシオを誘い出して不義の証拠を何とかお見せしましょうと言い、立ち去る。

そこにデズデーモナが現れ再びカッシオの赦免をと執拗に迫るので、オテロは妻に対する疑念をますます深め、自分が贈ったハンカチを持っているかと確かめると、彼女は持っておらず、当惑するのを見てついに彼女を「売女」と決めつけ、驚き悲しむ妻を立ち去らせ絶望して呟く、「神はすべての恥辱を私に与えるか」。

イアーゴがカッシオを連れて現れ、隠れているオテロに見え隠れにカッシオの情婦ビアンカの話を持ちかける。彼は笑いながらそれに応え、自分の家にこんなハンカチが落ちていたと例のハンカチを取り出す。イアーゴはそれをそっとオテロに見せ、カッシオを立ち去らせる。妻の不貞を確信したオテロはどうやって妻を殺すかと叫ぶ。イアーゴはあの汚れたベッドの上でと言う。

ヴェネツィア大使一行が到着し、島の主だったもの全てが集まってくる。大使はオテロにヴェネツィアへの帰還と後任はカッシオであることを伝える命令書を手渡す。オテロはそれを読み上げ、悲しげな妻にカッシオとの別れが辛いものと誤解し、彼女を罵倒し突き倒す。あまりのことに人々は驚愕しその場を立ち去る。一人残ったオテロは悶絶し、戻ってきたイアーゴが勝ち誇ったように「これがヴェネツィアの獅子か」と高らかに笑う。

第4幕:デズデーモナの寝室
デズデーモナはエミーリアに髪を梳かせながら「柳の歌」を歌い、彼女を退けて静かに「アヴェ・マリア」を唱えて床に就く。オテロが現れ、妻の不貞を責め、壮絶な二重唱「今夜の祈りは済ませたか?」となる。

無実を訴える妻の首を絞めデズデモーナがぐったりとなった時、扉をノックする音が聞こえ、エミーリアが駆け込んでくる。彼女はカッシオがロドリーゴを殺したことを告げる。その時、デズデモーナが虫の息で呟くのが聞こえる。驚くエミーリアに「わしが殺した」とオテロが言うので、エミーリアは大声で「デズデモーナが殺された」と叫ぶ。驚き皆が集まってくる。

その場でハンカチの件はエミーリアの口から明らかになり、ロドリーゴも死ぬ前にイアーゴの奸計を告白したとモンターノが告げる。すべてを知ったオテロは短剣で、自らの胸を刺し、最後に妻に三度接吻して事切れる。

--- 終演(約2時間20分) ---
(参考 Wikipedia)


---

今回参考にしたCDはこちら。チョン・ミュンフンとオペラ・バスティーユの蜜月の記録です。嵐で始まる音の奔流に飲み込まれてください。

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「オテロ」全曲 チョン・ミョンフン&バスティーユ歌劇場、ドミンゴ、ステューダー、レイフェルクス(1993)

https://ja.wikipedia.org/wiki/オテロ_(ヴェルディ)

--- memo ---
 ナブッコ (Nabucco, 1840-41)
 エルナーニ (Ernani, 1843-44)
 マクベス (Macbeth, 1846-47, 仏語改訂1865)
 リゴレット (Rigoletto, 1850-51)
 イル・トロヴァトーレ (Il Trovatore, 1852-53)
 椿姫 (La Traviata, 1853)
 シチリア島の夕べの祈り (Les vêpres siciliennes, 1855)
 シモン・ボッカネグラ (Simon Boccanegra, 1856-57, 改訂1881)
 仮面舞踏会 (Un Ballo in Maschera, 1857-58)
 運命の力 (La forza del destino, 1861-62, 改訂1869)
 ドン・カルロ (Don Carlo, 仏語1866, 改訂1884-全4幕, 改訂1886-全5幕)
 アイーダ (Aida, 1870)
 オテロ (Otello, 1880-86)
 ファルスタッフ (Falstaff, 1889-92)

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エフゲニー・オネーギン(1877-78) [トリスタン以後]

チャイコフスキー(1840-1893)
「エフゲニー・オネーギン」(Eugene Onegin, 1877-78)


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 "The Duel" by Ilya Repin, 1901


オペラ台本の原作はプーシキンの韻文小説「エフゲニー・オネーギン」。色男、告られて振った小娘が、いつの間にかイイ女に... 思い直してアタックするが、時すでに遅し。

モスクワ音楽院の教師で歌手のエリザヴェート・ラヴロフスカヤからオペラ化の話を持ちかけられた時には、文学としては魅力的だけど題材には弱いなと、にべもなかったチャイコフスキー... 考え直して数日間眠れぬ夜を過ごした後、一晩でシナリオを完成させたそうです

ピアノ協奏曲第1番 (1874-75)、バレエ「白鳥の湖 (1875-76)」と続いて、1877-78年に交響曲第4番と同時進行で作曲され、同じくサンレモで、こちらは一ヶ月後に完成しています。チャイコフスキーのオペラの中では一番演奏される機会の多いもので、次が「スペードの女王 (1890)」でしょうか。

初演は1881年、モスクワ・ボリショイ劇場にて。


あと、1965年にシュトゥットガルト・バレエによって初演された、バレエ「オネーギン」というのも。振付けは、同バレエ団の芸術監督であったジョン・クランコ。音楽は、同オペラからではなくピアノ曲「四季」など、他のチャイコフスキー楽曲を編曲したものです。(下はインタビュー動画)

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 Natalia Osipova on Onegin (The Royal Ballet)


Gagner ! いよいよ今夜、「武蔵野の森」での女子フリー。オリンピックの出場2枠に飛び込んでくるのは誰と誰になるんでしょうね。


--- 主な登場人物 ---

 オネーギン:主人公
 レンスキー:オネーギンの友人、オリガの婚約者
 グレーミン:公爵、後のタチヤーナの結婚相手

 ラーリナ:荘園の夫人
 タチヤーナ:ラーリナの娘
 オリガ:タチヤーナの妹


・ポロネーズ:第3幕-第1場

 Trailer: Eugene Onegin 2016


・手紙の場:第1幕-第2場

 Tatyana's Letter Scene.Olga Poltoratskaya.P.I.Tchaikovsky. "Eugene Onegin".

--- 開演 ---

第1幕:第1場:地方貴族ラーリン家の庭
秋の夕方、タチヤーナとオリガの姉妹が「聞こえたかしら、夜鳴きうぐいすの声が」と歌っている。娘たちの声を聞いてラーリナは若かりし頃を思い出し、老いた乳母を相手に夢多き娘時代のことや、結婚後の暮らしを回想する。そこへ農民たちが刈り入れ時のしきたりで、麦の束を持ってやってくる。ラーリナは農民たちをねぎらい、農民たちは陽気に民謡風の歌「小さな橋の上で」を合唱して踊る。

姉のタチヤーナは口数少なく沈みがち。一方、妹のオリガは快活な美人、「私はのんきで、悪戯が好き」と歌う。夢見がちで読書の好きなタチヤーナは、恋物語を読んだせいで物思いに誘われている。

そこへオリガの婚約者レンスキーが友人のオネーギンを連れてやってくる。理想化肌の若者レンスキーはオリガを熱愛している。一方、オネーギンはペテルブルクの社交界で暮らすうちに、若くして人生に退屈してしまってと,,, 遺産相続をした田舎の叔父の領地へやってきて、近隣に住む、気質の正反対な地主貴族レンスキーと交際するようになったという成り行き。

オネーギンはタチヤーナに紹介され、初対面の二人は語り合う。タチヤーナは、言葉少なだがバイロン的憂愁を漂わせる都会人のオネーギンにすっかり心を奪われる。

 第2場:タチヤーナの部屋
恋に落ちたタチヤーナは眠れない。彼女に頼まれて、乳母が昔に嫁入りした頃の思い出話をする。乳母が去ると、タチヤーナは初恋の甘美な悩みに乱れる胸の想いを、オネーギンへの手紙に綴り始める。「あなたは長い間、私が待っていた人。どういうお方なのでしょう? 私の迷いを解いてください」。恋文を書き終えると夜明けが訪れ、彼女は頬を染めて、乳母に手紙を託す。

 第3場:ラーリン家の庭の一隅
農民の娘たちの歌う苺摘みの歌が聞こえてくる。オネーギンの来訪を知ったタチヤーナが、不安におののきながら庭に逃げてくる。その後からオネーギンが現れ、冷ややかに手紙に対する返事をする。「自分は家庭の幸福には関心がないし、結婚には向かない男だ。兄のようにあなたを愛そう。しかし軽率さは不幸の元、自分を抑えることを学びなさい」と。タチヤーナは恥辱と絶望にうなだれる。

第2幕:第1場:ラーリン家の大広間
数ヶ月後のラーリン家の大広間。タチヤーナの「聖命日」の祝いに、着飾った客たちが集まり、ワルツを踊っている。オネーギンは婦人客が自分の陰口をするのに気づいて不愉快になる。くだらない集いに誘ったレンスキーへの腹いせとばかりに、しきりにオリガをダンスに誘う。コケットなオリガは嬉しそうに応じて、レンスキーを苛立たせる。

ラーリン家の家庭教師トリケが、タチヤーナへの讃歌を披露した後、マズルカが演奏され、オネーギンはまたしてもオリガと踊る。怒ったレンスキーはオネーギンと口論し始め、しまいには手袋を投げて決闘を申し込む。驚く客たちとラーリナ。レンスキーは「あなたの家で恋を知り」としばし思い出に浸る。オネーギンは後悔しながらも後には引けない気持ちを、ラーリン姉妹は悲痛な思いを歌う。

レンスキーはオリガに「僕の天使よ、あなたを低俗な誘惑者から守らなければ」と声をかけ、座を蹴って退場。一同は祝宴の思いもよらない事態に茫然とする。

 第2場:水車小屋・冬の早朝
レンスキーと介添人のザレツキーが、オネーギンの来るのを待っている。レンスキーは「僕の青春の黄金の日々はどこに去ってしまったのか?」と歌いだし、オリガへの愛を切々と歌う。オネーギンが到着して、介添人たちは決闘の準備にかかる。レンスキーとオネーギンは友が敵になってしまった無念な胸中をそれぞれに歌う。ピストルを手に向かい合う二人。銃声一発、倒れるレンスキー。「死んだ!」とつぶやき、茫然と佇むオネーギン。

第3幕:第1場:サンクトペテルブルクの大舞踏会
数年後、華やかな舞踏会の最中で、ポロネーズが鳴り響いている。長い旅から戻ったばかりのオネーギンが現れ、「どこへ行っても安らぎはなく、相変わらず退屈で」と独白。音楽はエコセーズに変わり、周囲の客たちはオネーギンを白い目で見る。

グレーミン公爵が夫人のタチヤーナを伴って姿を見せる。結婚した彼女は見違えるほど堂々とした社交界の女王となっている。オネーギンはかつての隣人グレーミン公爵がタチヤーナと結婚したことを知って驚く。

彼を前に、公爵は夫人への愛情を歌う「誰でも一度は恋をして」。タチヤーナはオネーギンに紹介されるが動じる様子もない。オネーギンの胸には激しい恋心が燃え上がる。

 第2場:グレーミン公爵邸の一室
タチヤーナがオネーギンから来た手紙を手にして涙ぐんでいる。思いがけない再会と恋文に、娘の頃のように心を乱されている。

そこへオネーギンが入ってきて、跪く。タチヤーナは素直に話しかける。「幼い私の恋に対してあなたは立派に振舞われました。それが今になって、なぜ、つまらない感情の奴隷に?」「真心から愛しています」とオネーギン。「幸福はあんなにも近くにありましたのに。あなたを愛していますが、私は嫁いだ身、夫に貞操を守ります」。タチヤーナはきっぱりと別れを告げて立ち去る。オネーギンは恥辱と酷い運命に打ちのめされる。

--- 終演(約2時間35分) ---
(参考 Wikipedia)


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今回視聴したのはこちら。グラインドボーン音楽祭の音楽監督を務めている若手指揮者ロビン・ティチアーティ (1983年ロンドン生まれ) のもの。主役二人の歌唱に、その分身のバレエダンサーによる演技を重ねて、ストーリーに陰影を付けた演出です。

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「エフゲニ・オネーギン」、ティチアーティ&コヴェント・ガーデン、キーンリーサイド、ストヤノヴァ(2013、日本語字幕付)

https://ja.wikipedia.org/wiki/エフゲニー・オネーギン_(オペラ)

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カルメン(1873-74) [トリスタン以後]

ビゼー(1838-1875)
「カルメン」(Carmen, 1873-74)


オペラ「カルメン」は、パリのオペラ・コミックのために書かれました。初演は1875年。楽曲間をレチタティーヴォではなく台詞でつないでいく、オペラ・コミック様式で作曲されています。

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 "La maja desnuda" by Francisco Goya, 1797–1800


鑑賞者に向けられる真っ直ぐな視線、「裸のマハ(=マドリー娘)」。作者のゴヤが亡命先のボルドーで亡くなるのが1828年。その2年後の1830年6月に、プロスペル・メリメはスペインへ旅をします。ところが直後にフランスでは7月革命が起こり、メリメは滞在延長を決定。フランスに戻ったのは翌年の1月です。

その間の出来事の一つを綴ったのが、プーシキンの物語詩「ジプシー」を参考にしたとも言われる、1845年発表の小説「カルメン」。旅先で美しいヒターナ(=カルメン)に出会い、彼女の家でいろいろと話を聞きますが、バスク人のホセに追い出され、気がつくと懐中時計が失くなっている。数ヶ月後コルドバで友人から、ホセが捕まって明日処刑されると教えられ、面会に行き、生まれてから現在までの彼の話を聞くといった内容です。

題材を選んだビゼーの狙いはどこにあったのか… オペラ化に当たってアンリ・メイヤックの台本では、スペイン社会の"異人"たちの物語という視点は薄められています。


--- 主な登場人物 ---

 カルメン:煙草工場で働くジプシーの女
 エスカミーリョ:闘牛士

 ドン・ホセ:衛兵の伍長
 ミカエラ:ホセの許婚

 スニガ:衛兵の隊長


幕開きはセビリアの煙草工場から。JTのサイトに、煙草に着目した読み物があったので紹介。 --> カルメンが巻いたシガー


・ハバネラ(エリーナ・ガランチャ)

 Carmen: "L'amour est un oiseau rebelle" (Elina Garance)


・闘牛士の歌(イルダール・アブドラザコフ、2016 パリ祭 : シャン・ド・マルス)

 Ildar Abdrazakov - Carmen : « Votre toast » (Bizet)

--- 開演 ---

第1幕:セビリアの広場。右手に煙草工場の扉、左手に衛兵詰所。
伍長のモラーレスと配下の衛兵たちが、往来の人々を眺めている。やがてミカエラが登場し、彼女を呼び止めたモラーレスにドン・ホセを探していることを告げる。モラーレスは交替の時間になればやってくるから、それまで待つようにとすすめるが、ミカエラはその場を逃れてしまう。

遠くでラッパが鳴り、衛兵たちが整列すると、子供たちにつきまとわれた交替の衛兵たちが、隊長スニガや伍長ドン・ホセとともに行進してくる。モラーレスはドン・ホセにミカエラのことを語り、子供たちにつきまとわれながら自分の班の衛兵たちと退場する。ホセはスニガにミカエラを愛していると語る。

昼休みを告げる鐘が鳴り、町の若者たちが集まると、煙草工場の女工たちが登場し、男たちに迎えられる。カルメンが登場し、ホセに目をとめる。カルメンは自分に無関心なホセに興味を抱き、恋は野生の野の鳥のように慣らすことのできないもの、好かれたらご用心と、有名なハバネラを歌う。若者たちはカルメンに言い寄るが、彼女は見向きもせず、手にしたアカシアの黄色い花をホセに投げつけて去る。

人々も去り、ホセはひとりカルメンの魅力に惹かれてその花を拾い上げるが、そこにミカエラがやってくるので、ふたりは再会を喜び合う。

ミカエラはホセに、彼の母からの手紙と金を渡し、伝言とともに接吻までも伝える。ふたりは感激し、故郷に思いを馳せるが、ホセの心にはカルメンの面影がふとちらついたりもする。しかしミカエラが去った後、母の手紙を読み、母の言う通りミカエラと結婚しようと決意する。

突然騒ぎが起こり、スニガが衛兵を伴って出てくると、煙草工場から女工たちが飛び出してくる。彼女たちは二手に分かれて喧嘩を始めたのだ。スニガの命令で工場に入ったホセは、やがて喧嘩の張本人カルメンを引きたてて戻って来る。全く反省の色のないカルメンは投獄されることになるが、彼女はホセを誘惑にかかる。リーリャス・バスティアの酒場でセギデーリャを踊りマンサニーリャを飲もう、というカルメンの誘惑についに抗しきれず、ホセは彼女の戒めのロープを解いてしまう。スニガが令状を持って現れると、カルメンは隙をついてホセを突き倒し、混乱の中をまんまと逃げ去ってしまう。

第2幕:リーリャス・バスティアの酒場
カルメンが、仲間のフラスキータやメルセデスとともに客の相手をし、ジプシーの唄を歌っている。

閉店の時刻になり、客として来ていたスニガも、ホセが牢から出たことをカルメンに告げて帰ろうとするが、そこに歓声とともに人気闘牛士エスカミーリョが現れ、闘牛士の歌を歌う。彼はカルメンに目を止めるが、人々を引き連れて去り、そのあとやってきた密輸業者の仲間、ダンカイロとレメンダートは、カルメンが恋しているというホセを仲間に引き入れようと計る。

ホセが現れ、カルメンはカスタネットを鳴らしながら歌って彼を慰めようとするが、彼の心は晴れず、兵営に帰ろうとする。カルメンがそれならさっさと帰れと言うと、彼女がホセに投げ与えた花を牢の中で慈しみ、もう一度逢いたいとのみ思って耐えたと、花の歌を歌って、カルメンへの思いを訴える。しかし脱走兵になることはできないと、カルメンの仲間になれという誘いは断る。ところがそこに戻ってきたスニガと口論から争いになり、密輸業者たちがスニガを取り押さえると、ついにホセは、悪事の仲間に加わることを承諾してしまう。

第3幕:山中の岩場
暗い夜。ジプシーの密輸業者たちが休息をしている。カルメンはもうそれほど、ホセを愛していない様子である。彼女は仲間にならってカード占いを始めるが、何回やっても死の札が出てしまうので当惑する。

全員が退場すると案内人に伴われてミカエラが現れ、ホセを連れ出す決意を歌い(ミカエラのアリア)、神の加護を願う。見張りをしていたホセが発砲したのでミカエラが隠れると、エスカミーリョが登場し、ホセに呼び止められる。エスカミーリョは愛する女に逢いに来たと言い、その女がカルメンだと明かすので、決闘になってしまう。ジプシーたちが二人を分け、エスカミーリョが去ると、仲間に発見されたミカエラが連れてこられ、ホセの母が危篤だと伝える。ホセはカルメンに未練を残しながらも、一旦ミカエラとともに下山することを決意する。

第4幕:闘牛場前の広場
闘牛の行われる日とあって、大変な賑わいである。やがてエスカミーリョが着飾ったカルメンを伴って現れ、群衆の歓呼に迎えられる。メルセデスとフラスキータはカルメンに、ホセが来ているから注意しろというが、カルメンは気にする様子もない。

やがてカルメンひとりになると、物陰からホセが現れる。ホセはカルメンに、もう一度出直そうと懇願するが、カルメンは一向に取り合わず、二人の恋はもうおしまいなのだと答える。ホセはなおも食い下がるが、カルメンはかえってホセへの嫌悪をあらわにするばかり。

闘牛場から湧き上がる勝利の歓声にカルメンが入り口に駆け寄ると、ホセはあいつを愛しているのかと詰問する。カルメンはエスカミーリョを死んでも愛していると答え、ホセから貰った指輪を投げつける。ついにホセは、カルメンを隠し持った短刀で刺し殺し、カルメンへの愛を口走りながら、その死体に身を投げだす。

--- 終演(約2時間40分) ---
(参考 Wikipedia)


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今回参考にしたCDはこちら。シノーポリとバイエルン州立ということで暗さを警戒されるかもしれませんが、あにはからんや、ラテン系のノリの良い演奏です。

 carmen.jpg
「カルメン」全曲 シノーポリ&バイエルン国立歌劇場、ラーモア、ゲオルギュー、モーザー、レイミー(1995)

https://ja.wikipedia.org/wiki/カルメン_(オペラ)

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