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建物シリーズ 記事一覧
2018年04月22日:  秋田駒
2018年04月21日:  アンヌプリ
2018年04月18日:  第七の扉
2018年04月07日:  ベルヴェデーレ
2018年03月24日:  海洋都市同盟
2018年03月10日:  ミロのヴィーナス
2018年02月24日:  人魚姫
2018年02月12日:  ブルーマウンテン・バラード
2018年02月10日:  ムーラン・ルージュとブロードウェイ
2018年01月27日:  Oのオペラ修行

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秋田駒 [建物シリーズ]

こちらは秋田犬。戌年やけん。

akitainu.jpg
 ( from わんちゃんホンポ https://wanchan.jp/osusume/detail/1969


秋田駒ヶ岳は十和田八幡平国立公園の南端にある標高1,637mの山。秋田新幹線/田沢湖駅からバスで1時間、駒ヶ岳八合目へ。ここから右に入って-->片倉岳展望台-->阿弥陀池-->焼森-->八合目登山口という、山頂に寄らなければ2時間ほどのトレッキングコースがあります。最後焼森からの下りがちょっとした山道ですが、それ以外は平坦で、特別な登山装備をしなくても一巡りして来れます。(阿弥陀池からそのまま戻って来るというのもあり。)

秋田駒で特筆すべきは、やはり高山植物。僕が行ったのはもう7月も末に近い頃だったと思うけど、登山口からちょっと進んだだけでそこかしこに可憐な白い花が咲いていて、花の名山とはよく言ったものと感じ入った次第です。

 森と水の郷あきた:花の百名山シリーズ③秋田駒ヶ岳
  http://www.forest-akita.jp/data/akitakoma/akitakoma.html

お泊まりはその先に乳頭温泉がありますが、混浴はちょっとという方には、田沢湖高原温泉郷でも良いかと思います。(でも、いやらしい目で見なければ◎)

LAGRENÉE.jpg
 "Mars and Venus; an allegory of Peace" by Lagrenée, 1770


---

こちらは山歩きというよりは、植物園を散策する感じ。キャロリン・サンプソンのアルバムです。

fleurs.jpg
 Fleurs (花々~植物にまつわる歌曲集)
  Carolyn Sampson, soprano
  Joseph Middleton, piano

--- 名前が何だっていうの? 私たちはバラと呼ぶけれど
 どんな他の名前だって同じように甘く香るでしょ ---

 パーセル/ブリテン:ばらの花よりも甘く
 シューマン:私のばら Op.90-2、ばらよ、ばらよ! Op.89-6
 クィルター:ダマスクのばら
 ブリテン:ナイチンゲールとばら
 グノー:ばらの咲くころ
 フォーレ:イスパハーンのばら Op.39-4

--- R.シュトラウスの花の乙女たち ---

 ばらの花環 Op.36-1
 乙女の花 Op.22(矢車菊、ポピー、アイビー、睡蓮)

--- 花々が語るとき ---

 シューベルト:花の言葉 Op.173-5 D.519、森で Op.56-3 D.738
 シューマン:ジャスミンの木、献身の花 Op.83-2、松雪草 Op.79-26

--- フランスのブーケ ---

 プーランク:花 FP.101-6
 フォーレ:蝶と花、捨てられた花 Op.39-2
 アーン:贈り物
 ドビュッシー:花 L.90-3
 ブーランジェ:去年咲いていたリラの花は
 シャブリエ:ありったけの花


what's_in_a_name.jpg
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アンヌプリ [建物シリーズ]

ウィーン世紀末の人工沼から這い出るのは簡単、本物の自然に触れること。時期は外れますが、北海道の紅葉の話。

niseko.jpg
 ニセコパノラマライン( 周遊バスの車窓から )


雪質の良さで外国人にも人気のニセコですが、紅葉時期も格別です。僕が何年か前に行った時にはニセコバスが季節バスを出していて、倶知安から五色温泉、神仙沼、パノラマライン、甘露の水、昆布温泉というように、ニセコ アンヌプリを一巡りするコースだったかと思います。紅葉の黄と赤が夜中まで目に焼き付いていました。

ところで、僕は甘露の水でバスを降車したのですが、ふと見ると30mほど先に生き物の姿が... キタキツネでした。自然に暮らしている動物を見ると和みますね。大雪山の黒岳では、エゾシカとエゾシマリスを見ることができましたし。(運の良いことに、ヒグマには出会っていません)


---

音楽の話。尾高忠明が音楽監督を務めていた頃の札響、明らかに、在京楽団とは一線を画した透明感のある弦の音色を響かせていました。記念に、会場のKitaraで売られてた「グリーグ&シベリウス」を一枚買ってきましたが、残念ながら生で聴く音色は自宅の再生環境では再現できないです。

フィンランドの森や湖や鳥の囀りといった自然からインスピレーションを受けたシベリウスの作品をちょっとだけ聴き直してみました。"Lake"と言えばアンナ・ドミノが「湖を半周して、もう引き返す地点に来ている」と歌っていますが、隠遁したシベリウスに同種の想いを感じなくもありません。

sibelius_tapiora.jpg
 Sibelius:
  Tapiola, En Saga & 8 Songs

  Hannu Lintu
  Finnish Radio S.O.
  Anne Sofie von Otter


こちらのアルバムは、ハンヌ・リントゥ指揮のフィンランド放送交響楽団による2016年録音のもの。細かい音の動きが良く再現され、訴えかけるような森のつぶやきが聞こえてきます。収録曲はシベリウスの最後と最初の交響詩、「タピオラ, op.112」と「エン・サガ, op.9」、それに加えて親しみ易い歌曲を8つです。歌曲は、アウリス・サッリネンにオーケスレーションを委嘱した管弦楽伴奏版で、歌っているのはアンネ・ゾフィー・フォン・オッター。

「タピオラ」の出版譜には以下のカトレーンが載せられているそうです。

  ポヒョラ(北の国)には深く暗い森があり
  野生の夢を、永遠の秘密を夢見ている。
  タピオ(森の神)の不気味な住処がそこにあり
  そして、見え隠れする精霊たち、夕暮れ時の声たち。


ちょっとだけと言いながら、上の演奏に惹かれるものがあったので、リントゥの指揮した交響曲全集も聴いてみました。Blu-ray3枚のBoxセット。

sibelius_lintu.jpg
SIBELIUS - 7 SYMPHONIES
 Hannu Lintu, Conductor
  Finnish Radio Symphony Orch.
  Helsinki Music Centre, 2015
 Laura Joutsi, Director


細部を緻密に彫刻した演奏という点ではベルグルンドと同系統ですが、ヨーロッパ室内管のニュートラルな響きに対して、ふるさとの訛りなつかしが楽曲に命を吹き込んでいます。あとは、そだねー、「ドキュメンタリー」と「これがシベリウス!」というおまけ映像。後者は8つの視点からシベリウスのポートレートを描いてみたものですが、全話に『現代のシベリウス』カイヤ・サーリアホが登場していて、彼女のポートレートにもなっているのが買えますね。日本語字幕付き。

  1. 外見と性格  2. 天才と自然  3. 病気と神経症
  4. お金と快楽  5. 父親と家族  6. 作曲とインスピレーション
  7. アイノとヤンネ  8. 終わり方の難しさ



--- おまけ(サカリ・オラモのシベリウス)

・交響曲第6番(リハーサル)

 Sibelius: Symphony No. 6 / RSPO / Oramo


・ヴァイオリン協奏曲(ハイライト)

 Hilary Hahn playing Sibelius with the Vienna Philharmonic Orchestra
  live @ Wiener Konzerthaus


・フィンランディア(Prom 75: Last Night of the Proms 2017)

 Sibelius: Finlandia (Prom 75)

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第七の扉 [建物シリーズ]

季節が巡るのは早いもので、八重桜も散り、ツツジの花が咲き揃ってきました。そして今日は、エビ中1/3.4武道館ライブBlu-rayの発売日。といっても手元にはないのです。¥12,000はある意味踏み絵だよな... えっ、待ってください、本当にポケットの小銭しか... シュパッ! ごろごろごろ...

 judith_cranach.jpg
 "Judith with the head of Holofernes" by Lucas Cranach, around 1530
 ( Kunsthistorisches Museum Wien


シャルル・ペロー、メーテルリンクの「青ひげ」は、青髭の外出中に秘密の扉を開けてしまうというストーリーですから、ベーラ・バラージュの台本はちょっと違いますね。こちらは、「もうこれ以上、開けないでくれ」と言いながらも青髭がユディットに連れ添って、最後の扉まで到達してしまうという趣向になっています。


伝統的な演出方法は、暗がりの中に7つの扉を配置し、扉が開く毎にそのシンボリック・カラーで照らし出すというものだそうです。

 ステージ例1:Duke Bluebeard's Castle — Alan E. Schwanke
Duke_Bluebeards_Castle.jpg

 第1の扉 = 拷問部屋(血のような赤)
  壁には血の痕が...
 第2の扉 = 武器庫(黄色味がかった赤)
  全ての武器に血が付いて...
 第3の扉 = 宝物庫(金色)
  しかし、宝物には血痕が...
 第4の扉 = 庭(青味がかった緑)
  咲き誇る花々、しかし、白いバラに血の痕が... 土には血が染み込んでいて...
 第5の扉 = 王国(白色 --- 奔流となって輝く光の束、青い山々)
  目の前に広がる青髭の領土、しかし、雲は血のような赤い影を落とし...
 第6の扉 = 涙の湖(暗闇)
  不気味なほど静かで、銀色に輝く湖。
  二人は抱擁するが、ユディットは最後の鍵を要求する。
 第7の扉 = 3人の妻(銀の月のように)
  「夜明け」,「昼」,「夕暮れ」として生きていた。
  ユディットも「夜」として組み込まれ、去る青髭。


 ステージ例2:ガラス彫刻家デイル・チフーリ(Dale Chihuly, 1941- )のオブジェ
bluebeard-chihuly.jpg
 ( medleyana.com/tag/bluebeards-castle/ )


 Duke Bluebeard's Castle


---

物語は、前口上で繰り返される Urak, asszonyságok (Gentlemen, ladies)に集約されているのでしょう。エルダから遠ざかる長い長い歴史。

bartok_bluebeared.jpg
 Bartok: Bluebeard's Castle
  Sir John Tomlinson, Bluebeard
  Michelle DeYoung, Judith
  Juliet Stevenson, narrator

  Esa-Pekka Salonen
   Philharmonia Orchestra


前口上(Péter Bartókによる英訳から)

 昔々。
 これはどこで起きたのでしょう?
 外か、内か?
 古びたテーブル、それは何を意味するでしょう。
 Ladies and Gentlemen ?

 歌は続き、
 あなたは私を見る、私の目はあなたを。
 私たちの瞼のカーテンが開きます。
 ステージはどこでしょう、外か内か?
 Ladies and Gentlemen ?

 辛苦と幸福
 それは身の回りの出来事。
 しかし、世の軍隊が
 私たちの運命を決めるのではありません。
 Ladies and Gentlemen.

 私たちは互いに理解し合い、
 私たち自身の物語を語ります。
 私たちがどこから来たとしても、
 驚きをもって聴きます。
 Ladies and Gentlemen !

 (幕が上がる)

 音楽が鳴り、照明が灯る。
 劇を始めましょう。
 私たちの瞼のカーテンが開きます。
 それが降りるまで注目です。
 Ladies and Gentlemen !

 古い城。
 古い物語、壁で取り囲まれた。
 注意深く観ることです。

hirosaki_castle_1.jpg
 史跡 弘前城|青森県観光情報サイト アプティネット
 

弘前公園のさくら満開は、4/25辺りのようです。
 http://www.hirosakipark.jp/sakura/category/cherryblossom

ともあれ、弘前ねぷたの見送り絵にも生首を持った美女が度々登場します。
 http://eclipse.star.gs/lock/1988/index.htm

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ベルヴェデーレ [建物シリーズ]

「絶景かな、絶景かな」は京都/南禅寺の三門。ウィーン市内でそれに相当する場所といえば、その名も「美しい眺め」、ベルヴェデーレ宮殿かな... 宿をとったアンナガッセからは散歩がてらに... こんな感じで市街を見晴らせます。

vienna-belvedere.jpg
 ( www.travelwriticus.com )


もう少し引きの画を撮りたいと思ったら、乗り物に乗って、シェーンブルン宮殿のグロリエッテや、ドナウ川を望めるカーレンベルクの丘(霞んで街が見えない場合もあり)に行ってみるのも、また楽し♪


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18世紀前半に建てられたバロック建築のベルヴェデーレ宮殿、今は、世紀末ウィーン美術が展示されたオーストリア・ギャラリーとして知られています。ハイライトはクリムトの「接吻」ですが、グスタフ・クリムト(1862-1918)と並んでエゴン・シーレ(1890-1918)のコレクションも揃っています。

 https://www.wien.info/ja/sightseeing/museums-exhibitions/top/belvedere

Egon_Schiele.jpeg
 「死と乙女」( "Tod und Mädchen" by Egon Schiele, 1915 )


シーレの直截的な表現手法にマリアージュさせたい音楽を、と考えて安直だけど、フーゴ・ヴォルフ(1860-1903)のメーリケ歌曲集から「捨てられた娘」です。


 Das Verlassene Mägdlein d'Hugo Wolf
 (Chant : Mathilde Thomassin Piano : Claire Plaisant)

 Das verlassene Mägdlein

 Früh, wann die Hähne kräh'n,
  早朝、鶏が鳴くとき
 Eh' die Sternlein verschwinden,
  もう、星が消える
 Muß ich am Herde stehn,
  かまどに立って
 Muß Feuer zünden.
  火を起こさないと

 Schön ist der Flammen Schein,
  炎が輝くのが美しいこと
 Es springen die Funken.
  火花が跳ねる
 Ich schaue so drein,
  そんな私の眺め
 In Leid versunken.
  傷みに身を焦がしている

 Plötzlich, da kommt es mir,
  不意に、私を思いがよぎる
 Treuloser Knabe,
  不実な男の子
 Daß ich die Nacht von dir
  それはあなたの夜
 Geträumet habe.
  夢見ていたのは

 Träne auf Träne dann
  そして、涙、涙
 Stürzet hernieder;
  こぼれ落ちる;
 So kommt der Tag heran -
  こうして今日はやって来る -
 O ging er wieder!
  ああ、過ぎて行け、もう一度!

( by Eduard Mörike )



↓国内盤なので対訳が付いているのがありがたいところ。(妙な文語調とはいえ)

kirchschlager_wolf.jpg
 ヴォルフ: 歌曲集
  アンゲリカ・キルヒシュラーガー(Ms)
  ヘルムート・ドイチュ(Pf)


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ちなみに、ベルヴェデーレ宮殿の敷地内には、ブルックナーが最期を過ごした建屋もあるそうなので、立ち寄ってみるのも一興かも。

This Symphony is the creation of a Titan, and in spiritual vastness, fertility of ideas and grandeur even surpasses his other symphonies.... Its success was almost without precedent, It was the absolute victory of light over darkness, and the storm of applause at the end of each movement was like some elemental manifestation of Nature. In short, even a Roman Emperor would not have wished for a more superb triumph. --- written by Hugo Wolf on 8th Symphony

それにしてもヴォルフのような簡潔な音楽を作った人が、ここまでブルックナーを褒めちぎるというのも、謎です...

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海洋都市同盟 [建物シリーズ]

紀元前5世紀、ヨーロッパの南のギリシャで、ペルシャ軍の脅威に対抗するためにアテナイを中心とした諸ポリスによって結成されたのはデロス同盟。時代は中世まで下って12世紀、バルト海や北海で交易に勤しんでいたドイツの遍歴商人たちがヴァイキング交易者に対抗するために連携したのがハンザ同盟。中心地は、バルト海に浮かぶ島ゴットランドの「バラと廃墟の町」、ヴィスビーです。

その勢力範囲はというと、在外四大商館の置かれたロシア-ノヴゴロド、ノルウェー-ベルゲン、フランドル-ブリュージュ、イギリス-ロンドンを主要拠点とする、広範囲に渡るものだったそうです。

13世紀になると、ハンザ同盟はゴットランド島ヴィスビーを核とする遍歴商人の同盟から、リューベック主導の定住商人による都市同盟へと形を変えていきます。そういった中、ブリュージュは運河や港に土砂が堆積して大型船が行き来できなくなったため15世紀以降衰退していきますが、逆にそれが幸いして中世の街並みがそのままに残され、今では有数の観光地です。


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散策するなら朝。マルクト広場に建つ鐘楼が朝日を浴びて輝く様、ベギン会修道院周辺の静謐さを体感できます。

brugge_halletoren.jpgbrugge_beguinage.jpeg
 Halletoren & Béguinage( Wikipedia )


昼は運河クルーズとお買い物。もちろんダイヤモンド... の1個付いたアクセサリーをお土産に。

夕食は市内のレストランで摂ったのだけど、魚料理。「何の魚」とウェイトレスに聞くと「マンクフィッシュ」とのこと。こちらが怪訝そうな顔をしていたのを察してか、一旦厨房に戻ったかと思うと、図鑑を開いてコレだよと… アンコウ! 北海産だね。


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ベルギーのヴァイオリニストであり作曲家のウジェーヌ・イザイ(1858-1931)で、バッハが陰から"当世風"を覗いているかのような、無伴奏ソナタを。


 WGBH Music: Tai Murray plays
  Eugene Ysaye's Violin Sonata in E minor, Op. 27 No. 4


ちゃんとした音で聴きたい方にはアンティエ・ヴァイトハース、2015年の録音があります。バッハからイザイに移った時の音楽地平の広がりも面白いです。

Antje_Weithaas.jpg
 Antje Weithaas
  - J.S.Bach & Ysaye Vol.3


 無伴奏ヴァイオリンのための作品集
  J.S.バッハ : ソナタ第3番ハ長調BWV1005
  イザイ : ソナタ第6番作品27(マヌエル・キロガに献呈)
  イザイ : ソナタ第4番作品27(クライスラーに献呈)
  J.S.バッハ : パルティータ第1番ロ短調BWV1002

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ミロのヴィーナス [建物シリーズ]

ルーブル美術館はかつては王宮だったところ。1682年にルイ14世が王宮をヴェルサイユへと移したために、王室の所有する美術品の収蔵・展示場所としての役割が与えられたとの事。そんなルーブル美術館の目玉のひとつ「ミロのヴィーナス」は、ギリシャのミロス島で発見され、制作されたのは紀元前2世紀といいます。

 Vénus de Milo(from Wikipedia)

Venus_de_Milo.jpg
 

 'Cause you treat my skin
   like porcelain
 Rare and special
   porcelain
 .
 .
 .
 Beyond the rare and special
   porcelain
 Well there's a place
   for me...


ギリシャの美術品や建築と共に、ギリシャ神話やギリシャ悲劇も西欧文化の礎ですが、三大悲劇詩人として知られるアイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデスは、ミロのヴィーナスよりも時代が遡り紀元前5世紀に活躍した人たちです。まだ多少は女神たちの力が残っていた頃。

西欧音楽の世界では、折々の時代で、ギリシャ神話・悲劇を題材とした作品が残されていて、ルイ14世(1638-1715)の時代に活躍したマルカントワーヌ・シャルパンティエ(1643-1704)にも「メデ (Médée, 1693)」という、王女メディアを題材としたオペラがあります。

30分弱のプレリュードで始まりますが、この部分はすべてルイ14世を讃える内容。それに続いて全5幕の3時間程の本編が来ます。これに幕間の休憩時間が入るのですから、せっかちな現代人から見ると、なんて悠長なと思うところでしょう。全曲を聴くわけにもいかないので、第3幕のアリアを拾いました。"porcelain"のジュリア・フォーダムでも歌いそうな歌詞ですが、フランス盛期バロックの作品です。



 Eugénie Lefebvre Médée Charpentier Quel prix de mon amour


 Quel prix de mon amour, quel fruit do mes forfaits!
  それが愛の代価なの、それが私の罪の果実なの!
 Il craint des pleurs qu'il m'oblige à répandre;
  彼は恐れている、私に流させてしまうだろう涙を;
 Insensible au feu le plus tendre
  ほのかな炎は感ぜず
 Qu'on ait veu s'allumer jamais,
  そう私たちがこれまでに見つめてきた、
 Quand mes soupirs peuvent suspendre
  私のため息が止む時には
 L'injustice de ses projets;
  彼の目論む不義;
 Il fuit pour ne pas les entendre.
  それらを聞かぬよう彼は逃げ去る。
 Quel prix de mon amour, quel fruit do mes forfaits!
  それが愛の代価なの、それが私の罪の果実なの!

 J'ay forcé devant lay cent monstres à se rendre.
  私は彼の前に百のモンスターを産み出す。
 Dans mon crœur où regnoit une tranquille pais,
  私の心、その中に静かな国が治まるの、
 Toujours prompte à tout entreprendre,
  いつでも行う準備はできている、
 J'ay scou de la natwo effacor tous les traits.
  私は、自然な成り行きはすべて取り除いておいた。
 Les mouvements du sang ont voulu me surprendre,
  もしも衝動的な考えが私を乗っ取ろうとしても、
 J'ay fait gloire de m'en défendre,
  それと対決するのを誇りとするだろう、
 Et l'oubly des serments que cent fois il m'a faits;
  そして、彼のしてきた百の誓いをすべて忘れること;
 L'engagement nouveau que l'amour luy fait prendre,
  愛が彼を導いた新しいコミットメント、
 L'éloignement, l'exil, font les tristes effets
  別離、追放、悲しい結末
 De l'hommage eternel que j'en devais attendre?
  それが私が望める永遠なる敬意なの?

 Quel prix de mon amour, quel fruit de mes forfaits!
  それが愛の代価なの、それが私の罪の果実なの!




そのシャルパンティエ、1698年にサント・シャペル(聖歌隊)の楽長に任命され、1704年に没するまでその地位にあったそうです。このサント・シャペル(教会)もまた、周りを取り囲むステンドグラスに圧倒される、パリでは見逃せない観光ポイントのひとつです。場所はシテ島、マリー・アントワネットの幽閉されていたコンシェルジュリーの隣です。

 Sainte chapelle(from Wikipedia)
Sainte_chapelle.jpg

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人魚姫 [建物シリーズ]

「世界三大がっかり」といえば、シンガポールの「マーライオン」、ブリュッセルの「小便小僧」、コペンハーゲンの「人魚姫」だそうですが、「マーライオン」は見ていないのでわかりません。

「小便小僧」は確かに小さいけれども、グランプラスという好環境に恵まれていて、また運良く衣装を着てたりしてると意外と可愛かったですね。(僕が見たときは何故か軍服を着ていました)

「人魚姫」はカナルツアーで海側から遠目で見たのだけど、人だかりがしていたのですぐに分かり、オーラを感じました。期待していないせいかも知れないけれど、観光のアクセントとしては悪くもないなと思ったところです。


copenhagen_canal_tour.jpg
 Tourists aboard the popular canal tour photograph ( thechronicleherald.ca )


---

童話「人魚姫」の作者アンデルセン(1805-1875)が生まれたオーデンセは、コペンハーゲンのあるシェラン島とユトランド半島との間にあるフュン島の中心都市。同じオーデンセ生まれに、作曲家カール・ニールセン(1865-1931)がいます。ちょっと取っ付きにくい感があるかもですが、これなんか聴き易いと思います。(グリーグの家 -- 招かれて夏を過ごしていた -- で作曲が始められた、という背景もあってでしょうか?)

<< カール・ニールセン コンペティション2016での優勝演奏 >>

 Liya Petrova - C. Nielsen Violin Concerto


「音楽がありあまる」指揮者ロウヴァリのサポートで映える、スクリデのソロ。

baiba_skride.jpg
 Sibelius & Nielsen: Violin Concerto, etc.
  Baiba Skride (Vn)
  Santtu-Matias Rouvali
  Tampere Philharmonic Orchestra


ついでに、サカリ・オラモ&ロイヤル・ストックホルムP.O.という近年好調なコンビによるニールセン。澱みなく音楽が流れています。ちなみに、第一次世界大戦中に書かれた第4番の "Inextinguishable=不滅, 消せないもの" とは、「明日世界が終わっても この音は止まらないんだ」という意味とのこと。

nielsen_syn4&5.jpg
 Nielsen :
  Symphony No.4 "The Inextinguishable"
  & Symphony No.5

  Sakari Oramo
  Royal Stockholm Philharmonic Orchestra


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ブルーマウンテン・バラード [建物シリーズ]

Gertrude-Stein.jpg
 Gertrude Stein: Writer, Salon Hostess ( from www.thoughtco.com )


ガートルード・スタイン(1874-1946)が兄のレオとともに、アメリカを離れてヨーロッパに移住するのは1902年のこと。最初はロンドン、翌年にはパリ6区、リュクサンブール公園にほど近いフルリュス通り27番地に腰を落ち着けます。この場所が「スタインのサロン」として作家や画家たちの交流の場となり、20世紀初頭のアートシーンを活性化させる一翼を担っていたというのはよく知られた話。

ポール・ボウルズ(1910-99)もまたニューヨークからパリへ渡り、そのサロンの仲間入りをした一人。そこでスタインから勧められ、1931年の夏にアーロン・コープランドと一緒にタンジールを訪れています。そのタンジールを彼が終の住処とするのが1947年で、翌年には妻ジェーンも合流します。さらにその翌年の1949年に出版された小説 "The Sheltering Sky" は、坂本龍一がサントラを担当したベルトルッチ映画の原作としても知られています。

さて、タンジールに定住する前、1937年にポール・ボールズはパリからニューヨークへと戻り、しばらくの間、オーソン・ウェルズ、テネシー・ウィリアムズといった演劇人と組んで作曲の仕事をしています。そんな経緯で生まれたのが、テネシー・ウィリアムズの詩に作曲した"Blue Mountain Ballads (1946)"。こんな感じの歌です。



Heavenly Grass (Blue Mountain Ballads) by Paul Bowles

Heavenly Grass

My feet took a walk in heavenly grass,
 僕の足は天国の草むらで歩を進めた、
All day while the sky shone clear as glass.
 昼中、空がガラスのように透明に輝く間。
My feet took a walk in heavenly grass,
 僕の足は天国の草むらで歩を進めた、
All night while the lonesome stars rolled past.
 夜通し、孤独な星たちが廻り行く間。
Then my feet come down to walk on earth,
 それから、僕の足は地上を歩くために降りてくる、
And my mother cried when she give me birth.
 そして、母は叫び、僕に誕生を与えた。
Now my feet walk far and my feet walk fast,
 今や、僕の足は遠くへと、そして速やかに歩く、
But they still got an itch for heavenly grass.
 けれど、天国の草むらのせいでまだ痒いんだ。
But they still got an itch for heavenly grass.
 けれど、天国の草むらのせいでまだ痒いんだ。

( by Tennessee Williams )





Cabin (Blue Mountain Ballads) by Paul Bowles

Cabin

The cabin was cozy
 キャビンは快適だった
And hollyhocks grew
 そして、立葵は育った
Bright by the door
 見事に、ドアのところ
Till his whisper crept through.
 彼のささやきが忍び来るまでは。

The sun on the sill
 窓枠の太陽は
Was yellow and warm
 黄色く暖かかった
Till she lifted the latch
 彼女が留め金を外すまでは
For a man or a storm.
 男、あるいは嵐のために。

Now the cabin falls
 今、キャビンは
To the winter wind
 冬の風が好き放題
And the walls cave in
 そして、壁には陥没の跡が
Where they kissed and sinned.
 そこで、彼らはキスをして罪を犯した。

And the long white rain
 そして、長く白い雨が
Sweeps clean the room
 その部屋をキレイに一掃する
Like a white-haired witch
 白髪の魔法使いのように
With a long straw broom!
 長いわら箒を持った!

( by Tennessee Williams )



---

このアルバム「Out of the Shadows (これらの歌を日の当たる場所へ)」には、ポール・ボウルズの"Blue Mountain Ballads"、ステファン・パウルスの日本の和歌(英訳)に付けた曲など、アメリカの作曲家の作品が集められていますが、オールド・ラング・サイン(「蛍の光」原曲)、シェナンドー、ホーム・スウィート・ホームというよく知られた歌の編曲版(ピアノとチェロの伴奏)も含まれています。

Out_of_the_shadows.jpg
 Out of the Shadows
  - Rediscovered American Art Songs
  リサ・デラン(soprano)
  ケヴィン・コース(pf)
  マット・ハイモヴィッツ(vc)


 ポール・ノードフ(1909-1977):6曲
 ポール・ボウルズ(1910-1999):Blue Mountain Ballads (4曲)
 ステファン・パウルス(1949-2014):Songs of Love and Longing(7曲)
 デイヴィッド・ガーナー(1954-)編曲:Auld Lang Syne (Traditional)
 ゴードン・ゲティー(1933-)編曲:Shenandoah (Traditional)
 ジャック・パーラ(1959-)編曲;Home, Sweet Home
 ジョン・デューク(1899-1984):4曲
 ノーマン・デロ・ジョイオ(1913-2008):Three Songs of Adieu
 ジョン・カンダー(1913-2008):A Letter From Sullivan Ballou
 ランドル・トンプソン(1899-1984):3曲

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ムーラン・ルージュとブロードウェイ [建物シリーズ]

"With View"で予約したはずなのに、渡されたキーで中に入ると小さな窓が側面についているだけ。早速、フロントに戻り苦情を言うと、「その値段で"With View"は無いね」とつれない返事。そこでBookingのプリントを見せて「ここに"With View"と書いてあるじゃないか」。フロントマン、これにはさすがに折れて「追加料金を払ったら部屋を変えてやるよ」とのこと。提示された金額が小さいものだったので素直に払って部屋を替えてもらったのでした。

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 セントラルパーク( www.timeout.com/newyork/ )


新しい部屋からはセントラルパークが見渡せ、ここならLincoln Center、Metropolitan Museum、Broadwayも徒歩圏だしと、ひと満足。


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ブロードウェイで何を見ようかと思って、選択したのは "La Bohem"。何もわざわざブロードウェイでオペラを見る必要もないんじゃない、と言われてもいいのです、演出がバズ・ラーマンだったのですから。

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 ムーラン・ルージュ( www.moulinrouge.fr )


バズ・ラーマンは、色彩感溢れる Music Video 風の映画「ムーラン・ルージュ」の監督さんですが、ムーラン・ルージュ再興を目指す若い芸術家達の躍動を描いた作品で、そこでも「ラ・ボエーム」を下敷きにしています。

オペラハウスでオペラ鑑賞するのとはちょっと違って、中規模劇場ならではの飾らない気楽さが心地良かったので、まあ良い選択だったかなと思っています。(幕間に人手で舞台転換するのもエンターテインメントの一部になっていて、感心しました。)


で、映画「ムーラン・ルージュ」自体もミュージカル化されることが決まっています。先ずはボストンで、6月から上演されるようです。

 ミュージカル『ムーランルージュ』最新情報 こちら


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NYの劇場街、元はもっとダウンタウン寄りにあって、タイムズスクエアまで昇ってきたのは1900年以降になるそうです。

ブレーメンから蒸気船でニューヨークへ、ドヴォルザーク一家4人(年少さん4人はチェコでお留守番)がアメリカに滞在していたのはそんな時代の1892-95年の事。"正真正銘のボヘミアン” meets America、ちょっと聴いてみます?


 WGBH Music: Cypress Quartet plays
  Dvorak's "American" Quartet: 2nd movement


ブロードウェイで「ポギーとベス」が上演されたのは、さらに下って1935年。第1回トニー賞は1947年。そんなで、立春も過ぎたばかりというのに「サマータイム」。クレオ・レーン&レイ・チャールズなど名盤ひしめきますが、ヴァイオリンで。


 " Summertime "
  - Lana Trotovsek - from Gershwin 's Porgy and Bess Fantasy

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Oのオペラ修行 [建物シリーズ]

なぜカールスルーエかというと、帰国便のフランクフルトに近いのと、アルザス日帰り観光も可能なのと、あと以前、大野和士がそこの音楽総監督を務めていたこともあって、日本人に寛容なのではないかと思ったから。(彼がオペラ修行をしていたカールスルーエ・バーデン州立歌劇場の外観とロビーだけは拝見してきました)

宿で食事を摂っていたら、(おそらく)オーナーが各テーブルに挨拶にまわって来てくれて、感じ良かったです。豆のポタージュもうまかったし。


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 Strasbourg - Petite France ( www.fac-paris.com )


運河と木組み家屋のプティット・フランスを抜けて、ちょっと歩くと、唐突に巨大なカテドラルが聳え立っています。

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 Strasbourg Cathedral ( Alsace France - videoturysta )


中に入ると、荘重なパイプオルガンの音色が...


Oh! 忘れていた。ストラスブールといえば、クリスマスマーケット(marché de Noël)が有名でした。冬に渡欧を計画されている方はご検討を。


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さて5月、僕はジャーマンレールパスにフランス国鉄の切符をくっつけて、カールスルーエから直通列車でストラスブールに入りましたが、1770年5月、マリア・テレジアから繰り出された14歳のマリー・アントワネットは南側のフライブルクから、ケールを経てライン川を渡ってですね。その年、ゲーテもたまたまストラスブール大学に修学していて、人々の歓迎の中で、ガラス貼りの馬車に乗って付き人と喋っているアントワネットの姿を見ていたそうです。

ヴェルサイユ、もう一方には、フリードリヒ大王のサンスーシ。C.P.E.バッハを1曲。


 C.P.E. Bach: Cello Concerto in A Minor Wq. 170;
  William Skeen, Voices of Music, First Mvt. 4K UHD


ドイツの(多分)名チェリスト、ユリアン・ステッケルの伸びやかなソロが魅力的。

julian_steckel.jpg
 C.P.E.Bach: Cello Concertos
  Julian Steckel (Vc)
  Susanne von Gutzeit
  Stuttgarter Kammerorchester


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